40代が同窓会で絶賛した、国語教師の"神授業" 20年後に差がつく「最も大事な能力」

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子どものときに身に付けておくと仕事でも役立つ、ある力とは?(写真:しげぱぱ/PIXTA)  
わが子には、生きるために役立つ能力を与えたい。親であれば、誰でもそう願うところでしょう。では、これからの時代「一生役立つ力」とはいったい何でしょうか? 英語? プログラミングスキル? それとも、心が折れないための自己肯定感?
今回は、小学校の同窓会で授業を振り返った30~40代の卒業生全員が納得したという「一生役立つ力」について、『勉強したがる子が育つ「安藤学級」の教え方』や『小学校6年生までに必要な作文力が1冊でしっかり身につく本』の著書がある、安藤英明先生に話を聞きました。働き盛りの社会人が、仕事現場でいちばん役立ったと実感しているのは、意外な力でした。

同窓会で感謝された、小学校での「あの授業」

「いや〜、オレ、小学校時代に安藤先生に勉強を習って本当によかったわ―」

教え子のS君が、ほろ酔いの声でしみじみと言いました。その日は小学校の同窓会。20年以上前に担任をした教え子たちが、一堂に会していました。

小学校の同級生というのは不思議なものです。卒業から何年経っても、あっという間に当時の記憶がよみがえり、思い出話に花が咲きます。

あの行事が面白かった、あの授業を覚えている? そんな話をしている最中、S君が冒頭の話を切り出しました。聞けば、私が小学生のときに教えた「作文の書き方」が、いまとなっては仕事でいちばん役に立っていると言うのです

S君が作文の授業の話を始めると、そこにいた教え子たちが、「私も!」「オレもだよ!」と口をそろえました。

ある男の子は「報告書1つ出すにしても、ほかの人の半分以下の時間で書ける」と言います。「同期がみんな就職に苦戦するなか、すぐに内定をもらった。採用の決め手は文章力だったと言われました」という子もいました。

ある女の子は「取引先にメールする文章を考えるのがつらくて仕方ないという後輩に、『文章の型』を教えてあげました」と言います。

そしてこぞって、「文章に苦手意識がないことで、どれだけ仕事が楽になっているか」について力説してくれました。これは本当に、うれしい話です。

私はこれまで、小学校の教員としてさまざまな教科を教えてきましたが、なかでも最も力を入れて指導していたのが、自分の意見や考えを発表することと、作文の指導でした。

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