人気企業の「就活エントリーシート」傾向と対策 先輩学生の声から会社ごとのクセを読み取る

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キッコーマンの課題はひねりがきいている。

課題は「あなたを表す5つの要素、およびそれぞれの要素が占める割合(5つの要素合計で100%)を教えてください」というものだ。

自己分析が十分なら5つの要素を書き出すのは容易。しかしその割合まで書くとなると、ちょっと頭を使う。そして「要素を選んだ理由」を100文字以下で書くように求められている。100文字×5本の作文。かなりの労力だ。

このほかに「国内において、しょうゆを質的・量的に伸ばすための、あなたならではのアイデア・方策を教えてください」という課題もある。回答するのに苦心した学生が多い。

「設問数が群を抜いて多く、苦労した。キッコーマン商品の課題や今後の方針など、企業理解が進んでいないと書けない内容だった」(文系・上位国公立大)

印象に残るエントリーシートとは

学生が印象に残ったエントリーシートを紹介してきたが、印象に残る理由は「想定外の質問」「手書き」「項目の多さ」「文字数の多さ」が目立つ。もちろんその反対に「文字数の少なさ」をあげる学生もいる。

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どんなに唐突に見える課題も、企業が読み取ろうとしているのは、学生の自己分析と業界研究、そして企業研究なのだと思う。しっかりと分析と研究を進めてきた学生は、一見すると奇問に見える課題にも対応できるだろう。

3月の解禁まであと1カ月。キャリアセンターなどを利用し、エントリーシート対策を進めてほしい。

佃 光博 HR総研ライター

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つくだ みつひろ / Mitsuhiro Tsukuda

編集プロダクション ビー・イー・シー代表取締役。HR総研(ProFuture)ライター。早稲田大学文学部卒。新聞社、出版社勤務を経て、1981年文化放送ブレーンに入社。技術系採用メディア「ELAN」創刊、編集長。1984年同社退社。 多くの採用ツール、ホームページ製作を手がけ、とくに理系メディアを得意とする。

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