人気企業の「就活エントリーシート」傾向と対策 先輩学生の声から会社ごとのクセを読み取る

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サントリーホールディングスのエントリーシートに対して驚く学生は多い。その理由は「手書き」と「自由記述」だ。

「真っ白な紙に写真でも絵でも文章でも好きなように自分を表現するESはここだけだった」(文系・上位私立大)

「白紙に手書きで自由に書ける珍しい書式だった」(文系・旧帝大クラス)

「A4の紙に自由に自分の挑戦、成長について書く形式だった」(文系・中堅私立大)

課題は次のような文章だ。「サントリーは『やってみなはれ』精神で、さまざまなことに挑戦し、新しい価値を創造してきました。チャレンジ精神あふれる皆さんのエントリーシートを楽しみにしています。フォーマットはご自由にお使いください。写真・グラフ・イラストなど何でも利用いただいて結構です」。

一方、味の素は、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)に関する質問が、根掘り葉掘り細かい。学生は項目の多さに辟易としている。

「細かくガクチカを書かなければならず大変だった」(文系・旧帝大クラス)

「設問が多かった」(文系・上位国公立大)

「書くことが細かく指定されていた」(文系・上位私立大)

多くの学生がうんざりしたようだ。

カゴメは「変わった質問」

エントリーシートを企業に提出する段階では志望を固めていない学生は多いはずだ。したがってエントリーシートの設問で学生の興味をかき立てれば、志望動機の形成や強化に役立つはずだ。カゴメはその好例だ。

どんな設問か。「カラオケの持ち歌」だ。

「カラオケの持ち歌の有無という他では見ない質問事項があった」(文系・早慶大クラス)

「カラオケの持ち歌を聞かれたことに非常に驚いた」(理系・旧帝大クラス)

そのほかにも「変わった質問があった」と学生は反応している。「変わっている」とは、たぶん「あなたはどのような人ですか? 5文字以内で教えてください!」という課題を指しているのだと思う。5文字以下では選択肢が少なく、四文字熟語、動物や植物、天体の名称などしか浮かばない。

ところが、「その理由について、エピソードを交えて教えてください」については一転して「300文字以下」と大幅に文字数を多くしている。こういう課題の出し方はうまいと思う。学生に知的な印象を与えるからだ。

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