転職ブームで、盛り上がる“条件闘争” あの手この手の「引き留め工作」との綱引き

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「求人サイトに掲載しても、応募数が徐々に減少。必要な人材が確保できずに、大変なことになりそうです」

と嘆いているのは、コールセンターで採用担当者をしているGさん。こう悩むのはGさんだけでなく、最近、採用に関する悩みを相談されることが増えてきました。

「売り手優位」で始まる”駆け引き”

厚生労働省の発表によると、2014年1月の全国の有効求人倍率は14カ月連続で改善。しかも、2007年8月以来の高水準です。緩やかな景気回復や消費税率引き上げを前にした駆け込み需要などを背景に、幅広い産業で求人が増加。当然ながら“人手不足感”の高まる職場が増えています。

帝国データバンクが行った「人手不足に対する会社の見解」によると、正社員に関して、約4割の会社が不足と感じているとのこと。まさに転職市場は急激な「売り手優位」な状況に転換中と言えます。ちなみに

「売り手」=転職希望者

「買い手」=会社の求人

のこと。ちなみに売り手優位な時期には、転職希望者も増えます。ビジネスパーソンたちは

「売り手優位になったのなら、今より条件がいい転職の可能性が高いはず」

と転職サイトに登録、自分の市場価値を確かめたくなるものです。特に今の若手社員たちは、学生時代に就職氷河期を経験しているので「転職して、学生時代に希望していた会社に入社したい」と“リベンジ”すべく、動き出したりします。

ただ、これから当面の転職市場は、転職希望者の増加を超える求人の増加が見込まれます。この売り手優位がさらに続くとどうなるか? 会社はきっと、悩ましい状況になることでしょう。売り手が優位な出来事が起きるからです。そうして、優秀な社員の転職を阻止するための「引き留め工作」が増えるのです。

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