当方も営業部長をしていたときに、引き留め工作をする必要に迫られた経験が。「君には大阪営業所を2年以内に任せるつもりだ。だから、もう少し一緒にやろう」と説得を試みて、転職を決意した部下を引き留めたことがあります。
ただ、振り返れば、その当時は景気がよくて会社の業績は絶好調。当然ながら人材不足の状態。これが、不況で人が余っている時期であれば、同じような引き留め工作などせずに
「そうか。新しい会社で頑張ってくれたまえ」
と「致し方ない」で引き留めなかったことでしょう。それくらい、引き留め工作は景気で強弱が変わるのです。
“空手形”も、意外と有効?
引き止め工作といっても、さまざまなケースがあります。たとえば、希望していた部署への異動を了承してもらったとか、具体的に条件提示があるときもあれば
・君は会社の幹部候補だと思っている
・将来は海外で勤務してもらうつもり
と、確定していない“空手形”のような話のときもあります。それでも、もともと会社への不満によるネガティブな転職でないので、引き留められると「あっさり」元のさやに納まることがあります。
転職市場は活況を呈しているようにみえますが、優秀な人材を採用するのは簡単ではない。そのことを会社は覚悟しておくべきともいえるのではないでしょうか。
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