レクサス「UX300e」がピュアEVで登場する意味 単にマーケティングで発売を決めたのではない
中国は電動車天国と言われてきて、政府が積極的にハイブリッドやバッテリー駆動の電動車など、いわゆる「新エネルギー車」の販促の後押しをしてきたのも、きっとニュースに敏感な読者諸氏ならご存じのとおり。
ところが、2019年6月に方針が変換され、補助金が削減されることに。噂は前から聞こえてきたのだけれど、電動車一辺倒ともいえた政策が変わったことで、電動車の販売には大きくブレーキが。
そんな“逆風”の吹くなか大丈夫なの?と今回の「UX300e」の行く末を早くも心配する声があるのに対して、レクサスインターナショナルの澤良宏プレジデントは、単にマーケティングのために発売を決定したわけではないのです、と説明してくれたのだった。
「電動車のよさは、静かでパワフルなところ。それはレクサスというブランド誕生の1989年から追究してきた価値とぴったり合うのです。EVにはクルマの未来とつながる大きな可能性があります」
UX300eの見どころ
UX300eを開発したのは、レクサスにとって“必然”だったというのが澤氏の説明なのだ。このクルマの見どころは、比較的大きなバッテリーを搭載して、パワーが大きいところ。
前輪の駆動力を細かく丁寧にコントロールすることで、走りの質を上げていくことが、レクサスの電動車ならではの価値にしたいと、澤氏をはじめ開発陣は考えている。それが“未来”と関係しているのだ。
この考えのもとになっているのは、(前にこの欄で紹介した)東京モーターショー2019に出展されたレクサスのコンセプトモデル、「LF-30 Electrified」なのだそう。
あちらは近未来のクルマの提案だけあって、4つの車輪に1基ずつモーターが組み込まれて、その制御で、スポーツカーのようにも走れることをうたっていた。「UX300e」はそこまでではないものの、ベースのコンセプトは同じだという。
従来のUXシリーズがベースの「コンバージョン」(転換)という位置づけになる追加車種だ。とはいえ、シャシーの一部を強化したり、サスペンションシステムに手を入れたりと、BEV(バッテリー駆動のEV)化は本格的の様子。