日本の農業は本当に大丈夫か?

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日本の農業は本当に大丈夫か?

民主党参議院議員・藤末健三

「日本の農業が危機にある」とあちこちで騒がれていますが、実際のところ、日本の農業のどこに問題があるのでしょうか。

 私は、大きく2つの問題があると考えています。

1)食料自給率の低下(食糧安全保障の問題)
2)産業としての農業の国際競争力の低さ(生産性の低さ、従事者の高齢化)

 まず1)の食料自給率の低下については、食料自給率を先進国で比較すると、日本だけが異常に低いことが理解できます。
 
 この図にあるように、わが国の食料自給率(カロリー換算)は1965年の80%から2000年には40%へと急激に下がってしまいました。一方、先進国の食料自給率ランキングを見ると、フランスの自給率は99%から132%に上昇しており、わが国は12か国中、最下位を記録し続けています。日本の食料自給率は4割。つまり、食料の6割を海外に依存しているわけです。

 しかし、その中身を見ると、いびつな構造に気づきます。日本は、毎年約600万トンもの小麦を輸入しているにもかかわらず、コメは余っています。約1400万トンの米の潜在生産力がある中で、約500万トン相当の生産削減を実施しているのです。こうした事態を招いた原因は「コメ価格維持に偏重した農業政策」にあります。詳細は後述します。

 このように、他の先進国は、数十年の間に食料自給率を向上させたにもかかわらず、わが国は、食料自給率を大幅に低下させています。年間3兆円程度の予算を使っているにもかかわらず、このような状況になっている以上、農業政策及び食料政策に構造的な間違いがあると考えざるをえません。

農地も減り続ける

 しかも、食料自給率の減少とともに、農地面積も減っています。農地は、昭和36年の609万ヘクタールをピークに減少し続け、平成15年には474万ヘクタールまで縮小。40年余りの間に135万ヘクタールもの農地が失われたわけです。その原因は、農地の住宅地やショッピングセンターなどへの転用と耕作放棄です。

 ただ今のところ、政府はこれらの問題には全く着手できていません。先の第164回国会で都市計画法が改正され、農地の転用も難しくなるといわれていますが、その効果は未知数です。まずは、今までこれだけの農地を減らしたことの評価・反省をすべきだと思うのですが、政府は未だそのような分析は行っていないようです(政府予算で研究者が行った論文は見ましたが)。

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