街中に続々登場「シェアサイクル」の大きな課題 自転車活用が進む中国・台湾から見る今後

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利用促進に向けた取り組みも行われている。2019年3月には国土交通省の実証実験としてシェアサイクルのポートへ誘導するためのデジタルサイネージ設置の実験が赤坂見附駅近くの地下歩道で行われた。近隣のポート位置と共に残り台数もリアルタイムで更新し、表示するデジタルサイネージの設置は世界的にもほぼ例のない取り組みだ。

今年3月に赤坂見附駅近くの地下歩道で行われた社会実験の様子。デジタルサイネージを用いてポートの場所や残り台数を案内している(筆者撮影)

またNAVITIMEやヴァル研究所といった経路検索サービスを提供する会社がシェアサイクルに対応したサービスをリリースし、シェアサイクル利用をサポートするなどシェアサイクルをめぐるビジネスは活況だ。こうして国内でシェアサイクルが広がる中で、中国で成長した企業が日本市場に進出しようとしたことがあった。

中国企業が参入しようとしたものの…

中国は今、シェアサイクル大国だ。2014年から2016年にofo、Mobike、Bluegogo、Hello Bike(現・Hello TransTech)などが次々と創業し、一気に成長した。これらのシェアサイクルの特徴はスマートフォンのアプリで手軽に予約できること、乗り捨てができること、多くの自転車が至る所に配置されていること、低廉な料金であることなどが挙げられる。また、私有の自転車が盗まれやすいといった中国の国内事情も後押ししたようだ。

実際に筆者が中国でも最先端といわれる都市、深圳(しんせん)に行った際には日本と大きく異なるシェアサイクル利用の姿を見た。まず、まちを走る自動車の多くは電気自動車やハイブリッド車で静かな中、シェアサイクルのベルの音が目立ち、至る所にシェアサイクルが乗り捨てられていた。次に、通りがかった大きな公園では子どもがMobikeのシェアサイクルに乗って遊んでいた。筆者は子どもの遊びでシェアサイクルが使われるというのは想像しておらず、とくに印象に残っている。

ofoは2018年日本に上陸したが、突如撤退した。その後しばらくは画像のように放置された自転車も多かった(筆者撮影)

深圳のように生活に根付いている中国のシェアサイクル。2016年頃までは北京を中心に成長したofoとMobikeが強かった。そしてこの2社は日本へも上陸している。Mobikeは2017年に日本法人を設立したうえで札幌市や福岡市、奈良市などでサービスを開始。ofoは2018年春に和歌山市、北九州市、大津市で相次いでサービスを開始した。

しかし、ofoは2018年10月末に1年と待たずに突如撤退した。Mobikeも大きな展開はなく、自転車こそあっても、ほぼ日本から撤退している状態だ。なぜこのような展開になったのか。原因は中国のシェアサイクル事情にある。

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