目標は「意志の力」で達成できるほど甘くない 目標を達成したい人は「環境」を作る事が重要
心理学の世界では、「人が行動を取るうえで重要なのは、個人の意志か、環境による外的要因か」の論争が続いている。
しかし、『FULL POWER 科学が証明した自分を変える最強戦略』の著者ベンジャミン・ハーディ氏は明確に「意志力」を否定したうえで、「環境を自分でどう選択するかが重要」と続けます。
意志力は役に立たない
意志力は役に立たない――これは科学的に証明がなされた、厳然たる事実だ。では、目標を達成するために打つ手はないのかといわれれば、「環境を、目標達成仕様に変える」という方法が真っ先に挙げられる。
1928年、北米プロアイスホッケーリーグの王者決定戦スタンレーカップ決勝で前代未聞の事件が発生した。
ニューヨーク・レンジャーズのゴールキーパーが負傷により退場を余儀なくされたのだが、ベンチに控えのゴールキーパーはいなかった。そこで選手たちは44歳だった監督のレスター・パトリックにゴールキーパーとして出場するよう説得する。本人にその経験はなかったが、彼はゴールキーパーの防具を身に着け、スタンレーカップ史上最年長選手としてプレーした。
結果はどうだったか。なんとパトリックはわずか1本のゴールを決められただけで、19本のシュートを阻止した。
パトリックは「キーパーなんてやったことがないから無理だ」とは言わなかった。必要に迫られて立ち上がったのだ。
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