目標は「意志の力」で達成できるほど甘くない

目標を達成したい人は「環境」を作る事が重要

例えば、スペイン語をいちばん早く習得するのなら、現地に行ってどっぷりスペインの文化に身を浸すべきだ。単語帳を毎日見るやり方でもいつか習得できるかもしれないが、それではモチベーションは続かない。

本当の意味で「最適な方法」とは、自分の内なる決意や意志の強さに頼ることではない。目標の外周を防御システムで固めてしまう方法、つまり「目標を確実に達成できる環境」を自分で作り上げるのがベストだ。そんな環境作りには、いくつかのアプローチが存在する。

必要なのは「強ストレス」と「強回復」

人間は、2種類の環境を必要としながら進化してきた。「強力なストレス」と「完全なリカバリー」だ。つまり、オンとオフは完全に分ける必要があり、なおかつオンのときは極端なくらい休む間もなく集中し続け、オフではリカバリーに徹する――つまり、それぞれに100%の状態で臨む必要がある。家に仕事を持ち帰っても、生産性は上がるべくもない。

まずは完全なオフから見ていこう。デジタル世界と常時つながる現代は、とても休みにくい時代といえる。アラン・クリスチャンソン医師とサラ・ゴッドフリード医師は、次のように説明する。

「デジタル断ちをし、リセットし、リフレッシュし、充電するための空間を作らない限り、私たちの体は進化の中で身に付けた自然な反応として、脂肪を燃焼するよりもため込んでしまう。質のいい健康、創造性、生産性、人間関係を手に入れるには、定期的に完全にリカバリーする必要がある」

そこで、手始めに「デバイス」から離れる時間を確保してほしい。例えば、就寝前1、2時間以内のノートパソコンや携帯電話の使用には悪影響がある。就寝1、2時間前に画面を見るのをやめた人は睡眠の質が非常によく、睡眠障害も少なかったのだ。

産業保険心理学の分野でも数多くの研究が行われており、「集中して効果的に仕事をこなすには、心理的に仕事と自分を切り離す必要がある」という結論が出されている。体だけでなく、精神状態も完全に切り離す必要があるのだ。

例えば、その日の仕事を終えて帰宅する前に翌日の優先事項を紙に書き出しておけば、覚えておく必要がなくなる。自分の頭の外にある環境に任せたからだ。また、携帯電話を機内モードにしておけば、連絡が来て仕事を思い出すこともない。もっといえば、カバンの中(車の中ならもっといい)に置いたままにしておけば、機内モードを解除するかどうかで悩まずに済む。

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