目標は「意志の力」で達成できるほど甘くない 目標を達成したい人は「環境」を作る事が重要
マイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏は「考える週」を作り、この期間は仕事から、そしていかなるコミュニケーション手段からも完全に離れた。マイクロソフトに関する最高のアイデアは、このリカバリーに向けた「考える週」の間にひらめいたと本人も認めている。
まるまる1週間を休息に費やすのは難しいかもしれないが、「すべてから離れる日」を作ることはできるのではないだろうか。せめて、1日の中で完全にオフになる時間を作ることは心がけてほしい。
精神的に本当に集中できるのは、1日のうちに4~5時間。効果的に働くなら、1時間半~2時間の集中時間と、その後はどこか違う場所で20~30分の回復時間を過ごす、というやり方が生産性において非常に有効だ。また、心理学者のロン・フリードマンによると、生産性が最大限に高くなるのは「1日の最初の3時間」とされている。
「完全にオンになれる空間」の条件
リカバリーに徹する環境を整えた次は、「オンに最適な空間」を作る必要がある。完全に、目の前のタスクに集中しきれる空間だ。その1つの方法は、「制限のある状況を作る」というやり方になる。
起業家のダン・マーテルは、週に数回、ノートパソコンを持ってコワーキングスペースへ出かける。その際、電源コードは意図的に自宅に置いていく。こうすることで、バッテリーがもつ数時間で作業を終わらせなければならず、この数時間は懸命に働くというモチベーションが湧く。
またマーテルは、毎日午後4時30分に子どもを保育園に迎えに行く。これも、生産性を引き上げるのに一役買っていて、際限ない時間を自分に与えていた頃と比べて、午後はずっと積極的に仕事をこなし、集中できるようになったという。
マーテルはこう説明する。「『優先順位を決める』『断るときは断る』ということではない。自分がもっと生産的になるために適切な環境を整えるということだ」
「フロー」と呼ばれる超・集中状態を作り出す方法はほかにも存在する。例えば、何かに取り組むときに他者に公言すると、自分が言ったことを守らなければという社会的なプレッシャーを感じるという研究結果がある。
そこで、何か終わらせるべきことがあるのなら、自分で期限を設定してみよう。「この日までなら余裕でできる」というよりもずっと早い日付けを設定して、上司や同僚に宣言するのだ。失敗したときの代償も決めておくと、この取り組みはより強力になる。
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