1年に1度は必ず流行するインフルエンザ。日本では毎年平均1000万人ほどの方がかかると報告されています。
とても身近な病気なので、秋冬になると、決まって数多くの情報発信を目にします。インフルエンザにはこの薬がよく効く、予防には〇〇がいい……。さまざまな情報を見ていると、ノイローゼになってしまいそうなぐらい実に多くの「定説」があるインフルエンザ予防。本当に正しい対処法は?エビデンスという視点で整理、検証します。
しかし一体、何が真実で、何がデタラメなのでしょう。その線引きをきれいに行うのは難しいところもありますが、本記事ではエビデンス(科学的な根拠)という視点で整理をし、インフルエンザの「予防」というところに絞って、皆様の間に広がる誤解を解いていければと思います。
最もエビデンスが確立した予防法は
インフルエンザの予防法として、最もエビデンスが確立しているのは、予防接種です。
「ワクチンがその年流行の型と外れることが多い」「予防接種をしてもかかってしまうのだから打たなくていい」「予防接種は副作用が怖い」そんな声を耳にしたことがあるでしょう。いずれも間違いとは言い切れませんが、予防接種を打たないほうがいい理由とは言えません。
医療行為はつねに、有益性と有害性のてんびんの中で行われます。時に有益性、もしくは有害性ばかりを取り上げて善だ、悪だと騒がれてしまうことがありますが、その論説はもう一方の側面をまったく無視してしまっています。
医療の世界にゼロはありません。あくまで予想される有益性が有害性を上回るとき、その医療行為は適切と判断されているのです。
ぜひ、そのような視点で一緒に考えてみてください。
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