「グレイヘア」に失敗する人に共通する勘違い 息子がショックを受けるほど老け込んだ

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聞けば、ご家族に不評だったそうで、とくに息子さんはAさんのグレイヘアを見て、「おばあちゃんそっくりになっちゃったよ」と、ショックを受けてしまったとか。

Aさんは、夫にはグレイヘアにすると宣言したそうですが、息子さんは独立して一人暮らしをしていたので、グレイヘアにすることは話していなかったんですね。

久しぶりに立ち寄った実家でグレイヘアになった母親の姿をみた息子さんは、急激に老け込んでしまったように思えて「どうしたの!?」とうろたえていたそうです。その様子を見た夫も「やっぱりまだ早いんじゃない?」と本当はうまく言い出せなかったことがことがわかり、グレイヘアをやめることにしたそうです。Aさんは「ちょっと早すぎたみたい。70代くらいになってからにしようかしらね」とおっしゃっていました。

白髪を治す方法は解明されていない

頭髪専門外来を担当する医師の立場としては、白髪染めやカラーリングを長期にわたって繰り返していると、薬剤の影響で髪が次第に細く弱くなっていったり、薬剤によっては頭皮への刺激が強くダメージを与えたりすることがあるので、染めずに済むのであれば、それに越したことはないと思います。しかし、実際のところは、負担の少ない方法で折り合いをつけていくのが現実的だと考えています。

薄毛や抜け毛に悩む頭髪専門外来の患者さんからも、「治療中は髪の毛を染めたらダメですか?」と聞かれることが多いのですが、「決してそんなことないですよ」と、個々の髪や頭皮の状態に応じたアドバイスをしています。そんな患者さんの不安を軽減するために、クリニックではヘアサロンも併設しており、髪と頭皮への負担が少ない薬剤を厳選して、白髪染めやカラーリングにも対応しています。

年齢を重ねてくると、ホルモンバランスの変化などで髪にハリやコシがなくなり、パサつきやうねり、白髪、薄毛、抜け毛などが目立ってきます。このうち、髪質の変化はヘアケアである程度はカバーできることもありますし、薄毛や抜け毛は治療で改善することができます。しかし、白髪を根本的に治す方法は、今のところはありません。

白髪は、髪に色を与えるメラニン色素を作り出す機能が衰えることで発生します。白髪の発生には個人差があり、遺伝的な要因もあることから、10代や20代でもポツポツと生えてくることはあります。

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