台風19号の影で「見過ごされた」豪雨災害の数々 グラフィックで振り返る豪雨と台風の2019年

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さて、豪雨災害が大きくクローズアップされた今年ですが、日本全体での降水量は増えているのでしょうか。気象庁の発表資料によると、長期的に見た年間の降水量には顕著な増加・減少傾向は見られません。下の図は、1898年から2018年にかけて年間降水量の偏差(1981年〜2010年の平均からの差)を示したものです。1900年代初頭および1950年代に雨の多い時期があり、その後は変動を繰り返しつつ、2010年代に入ってからは再び雨の多い時期が続いています。

日本の年降水量偏差(出所:気象庁「日本の年降水量」

しかし、年間の合計降水量に大きな変化が見られない反面、大雨の日は増加傾向にあります。長期間のデータが取れる全国51地点の降水量を見ると、日降水量100mm以上の年間日数は統計的に有意な水準で増加しています。

全国(51地点平均)の日降水量100mm以上の年間日数(出所:気象庁「大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化」

大雨の日は西日本の太平洋側で多い

年間に日降水量が100mm以上を記録した日数を示した地図を見ると、西日本の太平洋側、特に九州や四国の南部で大雨の日数が多いことがわかります。

日降水量100mm以上の年間日数(出所:気象庁「異常気象リスクマップ」

24時間雨量が年間合計の10%を超えると災害が起きやすいと言われています。地域にもよりますが、降水量の少ない地域では100mm程度、全国平均ではおおむね150mmから200mm程度です(『異常気象はなぜ増えたのか』森 朗、祥伝社、2017年)

今回のグラフィックでは、この目安や一般的な気象情報における降水量の表現を参考に、降水量が多くなるほど青色を濃くしつつ、100mm以上の場合は3Dのバーを黄色に、さらに200mmを超える場合は赤色で表現しました。

日降水量100mm以上は黄色、200mm以上は赤色で表示される
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