台風19号の影で「見過ごされた」豪雨災害の数々 グラフィックで振り返る豪雨と台風の2019年
2019年において、最も注目を集めた災害は間違いなく台風19号でしょう。10月中旬に首都圏を直撃し、関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。「計画運休」「命を守る行動を」といった災害・避難に関連する言葉がユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるなど、台風や豪雨による被害に注目が集まった年だったといえます。
しかし、台風19号の印象が強かった一方で、それ以外にも九州北部豪雨、千葉県豪雨など、2019年には日本各地で台風・豪雨被害が相次ぎました。そこで東洋経済では、全国の気象観測所における降水量データをグラフィック化。今年の主な台風・豪雨被害を振り返るデータビジュアルを制作しました。
こちらの特設ページでグラフィックを見ることができます(リンクが表示されない場合はhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/precipitation/にアクセスしてください)。
特設ページでは、画面下部のボタンで日付を移動できます。右下の「 i 」マークはこの記事そのものに関する情報を表示しますが、特に降水量の多かった日になると「!」マークに変わり、その時期に起きた豪雨・台風災害の解説を読むことができます。
気象台・アメダスのデータをDeck.glで3Dマップ化
そもそも降水量とは、一定期間に雨量計に入った雨や雪がどの高さまで降ったか・積もったかをミリメートル(mm)で表すものです。降水量は全国に約1300カ所存在する気象台やアメダスなどで観測されています。テレビの天気予報でも名前が出ることが多いアメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System = AMeDAS)は、直訳すると「自動気象データ収集システム」となります。かつて気象庁が農家に気象観測を依頼し、集まったデータを農業の支援に役立てていたのが、無人のデータ収集システムに置き換わったものです(『図解 気象学入門』古川武彦・大木勇人、講談社、2011年)。
今回はこれらの気象台やアメダスなどで測定された日降水量(0時から24時までの降水量合計)のデータを、UBERの公開しているオープンソースのWebGLフレームワーク「Deck.gl」を使って3Dマップ化しました。