「決算!忠臣蔵」原作者が語る浪士の経済事情

討ち入りは思った以上に費用がかかっている

“お金”の視点という新たな忠臣蔵の描き方を実現させた映画『決算!忠臣蔵』 ©2019「決算!忠臣蔵」製作委員会
「忠臣蔵」といえば、これまで300を超えるドラマや映画などで映像化され、多くの日本人に愛された冬の風物詩である。
そんな誰もが知る「忠臣蔵」(赤穂事件)という物語を、“お金”の視点から改めて語り直した映画が11月22日より公開されている。映画『決算!忠臣蔵』だ。
この作品の中で、「あだ討ち」という一大プロジェクトを成功させるためには、想像以上に費用がかかることを明示している。江戸までの旅費、武器の購入にかかる費用にはじまり、浪士たちの日々の生活費や食費、家賃……。討ち入りを主導した赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助は、資金のやりくりに悩む日々が続いていたという視点で、描かれている。
現代に通じるような映画のメガホンをとったのは『殿、利息でござる!』の中村義洋監督。そして赤穂藩筆頭家老・大石内蔵助を演じるのが堤真一。さらに大石を支える貧乏なそろばん侍・矢頭長助を演じるナインティナインの岡村隆史がダブル主演を務める。
原作は、江戸時代研究の第一人者である東大の山本博文教授による新書『「忠臣蔵」の決算書』(新潮新書)。大石内蔵助が実際に遺した決算書を基に、討ち入り計画の実像を記した話題作で、著者初の映画化作品となる。そこで今回は原作者の山本博文教授に、本作の背景となる「忠臣蔵」とお金の関係について話を聞いた。

コミカルな映画にしたのは監督の手腕

――本作の原作となった新書『「忠臣蔵」の決算書』は、赤穂浪士の討ち入りの深層を、一級史料から読み解いた内容で、興味深く拝読しましたが、それがこんなコミカルな映画に変貌していたことに驚きを感じました。山本先生がこの本の映画化を打診されたときはどのように感じられたのでしょうか。

この連載の過去記事はこちら

もともと題材が忠臣蔵ですし、史料にある、割と淡々としたお金の計算書の裏にドラマがあったのは確かなので、そういうこともできるだろうなとは思いました。

ただそれをどう料理するかというのは、本当に中村監督の手腕です。結果として面白い映画に仕上がったと思っています。

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