急浮上した羽田ハブ空港化構想、出遅れた空の競争

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一方、羽田は潜在需要が大きい。成田は都心から50キロメートル以上あるが、羽田は約15キロメートルと世界屈指の好立地。仁川52キロメートル、香港34キロメートルなどと比べても競争力は高く、「国際会議誘致や貨物集積、観光需要など経済効果は大きい」(関係者)という声が広がっている。成田には40カ国が就航希望、75社が増便を要請中だが発着枠は限界に近い。需要の受け皿としても、羽田のさらなる国際化という流れは自然だ。

ただ、これには地元の成田市や千葉県が反発する。成田市など周辺9市町で形成する成田空港圏自治体連絡協議会は13日夜に緊急連絡会議を開催。小泉一成・成田市長は「非常に唐突であり憤慨している」と言い放っていた。

また、アジアのハブ拠点として期待された関西国際空港も厳しくなる。国際・国内の両機能を併せ持つことが特徴だが、「羽田が国際化されれば関空の長所が消え失せてしまい、負のスパイラルに陥る」(航空関係者)。すでに関西圏3空港の中でも競争力が劣り減便の嵐に遭っている。加えて有利子負債は1兆1000億円と巨額で支払利息は220億円にも上る。

地方空港への余波も避けられない。航空政策研究会によると、全国約100空港のうち41空港を調査した結果、国管理空港で黒字は二つ、自治体管理では神戸空港のみ。残り大多数の赤字空港にとって頼みの綱が需要を見込める羽田であり、「羽田とのパイプを太くすることが採算改善になる」(関係者)と言われるが、国際線強化が進むことで国内線にシワ寄せが及ぶ可能性もある。

また、これまで不採算の地方空港を生み出してきたのは、空港整備などを目的とした国の特別会計だった。地方を支えるため、同会計の主な財源である羽田や成田の着陸料が高止まりし続ければ、逆に国際ハブ化へのネックになる。国交相はこの特別会計の見直しも公言している。日本航空(JAL)再建とともに、切っても切れないのが日本の空港をめぐる諸問題だ。航空・空港政策を見直す時期に直面する中、改革はどこまで進められるのか。

(冨岡 耕 =週刊東洋経済)

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