「群馬県」が映画撮影ロケ地に選ばれやすい背景 映画「影踏み」は地元協力得てオール県内撮影
そして今回の『影踏み』も、群馬県の中之条町、伊勢崎市などを中心に撮影が行われた。『月とキャベツ』以来の篠原監督×山崎まさよしコンビの復活作ということで、地元・群馬の人たちも「よくぞ帰ってきてくれた」と歓迎してくれたという。
そんな群馬県のロケ撮影について原作者の横山は、パンフレットのインタビューで「今回のオールロケ撮影は視覚的な“通奏低音”として作品世界に統一感をもたらした気がします。ひとつひとつはありふれた風景でも、それが連続して映し出されることによって、嘘のない地方都市の空気感が伝わってきました」と語っていた。
実は、群馬は映画の撮影地として、魅力的な場所なのだ。松岡プロデューサーがその理由を語ってくれた。
群馬の自治体関係者の映像への意識が高い
「映像屋としては、ロケーションが魅力的ということですね。赤城山や榛名山、妙義山など、山を背景としたロケーションなので、気持ちのいい画が撮れるんです。それから地元の方の映像への意識が高いですね。群馬県の自治体関係者の方々は、企画書だけでなく、脚本などもしっかりと読み込んでくれる人が多かった。
やはり人の心を動かすことが出来るのがコンテンツの力。『泣きました』『心動かされたんで協力します』と言ってくれた上で、ロケ地探しなど、映画の中身にコミットした協力をしてくれることが多かった。そういう意味で彼らは貴重なスタッフであり、応援者でもあるわけです」
松岡プロデューサーが、地方ロケにおいて変化を感じるようになったのは、映画やテレビの撮影支援を行うフィルムコミッションが全国で次々と設立されるようになってきた2004年前後以降のことだったという。
「全国にフィルムコミッションが設立される以前は、自治体の人たちから、撮影隊は嫌がられていましたからね。歓迎されていたのは『男はつらいよ』や『釣りバカ日誌』くらいじゃないでしょうか」と振り返る松岡プロデューサー。そして次のように付け加えた。
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