浅田真央とキムヨナ選手に見る一流の働き方 自分で満足できる仕事をしているか?

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キムヨナ選手と、浅田真央選手のコメントの共通点

なお、もうひとり偉いのはやはりキムヨナ選手である。今更、このどこぞのグローバルエリート2号が褒めるまでもないのだが、今回も韓国では金メダル確実との報道が連日繰り広げられ、ショートプログラムでの1位を受けて、ますます「金メダルで当然」との期待圧力が強かったはずだ。そんな中、当のご本人は本番直前の練習ではショートのときもフリーのときも不本意だったように見えたが、本番ではいつもの鉄の心臓を発揮して見事にノーミスで演技を終えた。結果的にはロシアの選手が金メダルを獲得して銀色のメダルに終わったものの、芸術的な演技を見せたキムヨナ選手の競技後のインタビューが非常に印象的である。

「ミスをすることなく、自分の最善を尽くして、自分のできる演技をすべて見せることができたので、満足です」

このサバサバした笑顔と応答に、一流のプロフェッショナルとしての目線の高さを感じた。同じく優勝候補に挙げられながら、メダル獲得を逃した浅田選手も、今朝のフリープログラムで「自分のしたい構成をできたこと」に満足し「恩返しができた」と思っていると語っている。

ここには、一流のプロフェッショナルが共通して抱く、「他人の評価より、自分自身が納得できる、自分の実力をすべて出すことができたかどうか」という目標設定の大切さである。

他人からの評価は多くの場合、間違っていたり流動的ですぐ変わるものだし、何といってもコントロールしきれないものだ。これに対し、自分をいちばんよく知っている自分自身からの自己評価は逃れることができないし、言い訳もできない。

私たちはともすると、「もっと高く評価されたい」「もっと給料を上げてほしい」「他人より低い評価はいやだ」「あいつには負けたくない」と他者の視点で自分を評価しがちであるが、最大限の努力をしたうえで運にも大きく左右される一流のアスリートたちに学ぶべきは、「結果はコントロールできないが、自分にできる最善を尽くす」という、自己満足の目線を高く設定することではないか。

早朝にスケートのために起きたので、私は今から二度寝するのでここらへんで締めることにするが、どんな仕事をするにしても「これが自分にできる最善の仕事」と思えるパフォーマンスを目指す人は、メダルがあってもなくても、途方もなく美しいのである。

ブラザー・キム

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東洋経済オンライン「グローバルエリートは見た!」およびびベストセラー「世界中のエリートの働き方を一冊にまとめてみた」の著者の後継者。香港を拠点に世界を飛び回り、コラムを執筆する。

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