子どもの「読解力」を一気に上げる親の声かけ 目の前の文章を理解して解かせるには
出来事と、気持ちと、反応をつなげるワークとして、私は授業で付箋をよく使いました。黒板に「出来事」「気持ち」「反応」の枠をつくり、その1カ所について、子どもたちに、付箋に書かせて貼らせます。自分の頭で、出来事と気持ちと反応のつながりを作ってみることで、読みとり方の意識が高められるのです。付箋を使うと、子どもたちは目をきらきらと輝かせ、食いつくように取り組みます。
子どもたちは付箋が大好きです。付箋に書いて、机から離れて歩き、黒板にペタッと貼る。競い合ったり話し合ったりしながら、頭だけでなく、心も体も動かす。これだけで、がぜんテンションが上がります。
「気持ちの読みとり」でつまずく壁――「心情語」
「気持ちの読みとり」で子どものつまずきどころに、読みとれていても、それを表現する「心情語」を知らないことがあるます。子どもはまだ10年から12年の人生経験しかないため、「悲しい」「悔しい」あたりはわかりますが、「未練」「後ろめたさ」などのやや複雑な気持ちになると言葉で表現することができなくなります。
そこで、読みとった内容に心情語をつけてあげる、心情語を増やす、という学習が必要になります。心情語を知識として覚える必要があるのです。
子どもはよく「クソーッという気持ち」と答えたりしますが、「悔しい」という心情語に置き換える。「頑張るぞという気持ち」は、「前向きな気持ち」に置き換える。このように心情語を当てはめていくといいでしょう。
大手塾の中にはテキストの巻末に、心情語をまとめていることもあるので見てみてください。子どもたちが難しいと感じる心情語は、丸暗記でなく、現実的な例文とともに覚えていくことがコツです。丸暗記しても、使い方を知らなければ意味がありません。
親子で参加する国語セミナーで、「後ろめたい」という心情語を使って、あるお母さんがこのような例文を作って発表してくださいました。
「遊んでいたら時間がなくなってしまったので、スーパーでお惣菜を買って帰りました。それをお父さんが食べて『お母さんの手料理おいしいね~』と言ったとき、後ろめたい気持ちになりました」
子どもたちはいかにもその様子が目に浮かぶのかニヤニヤしています。それでいっぺんに「後ろめたい」という心情語が頭に入りました。こうしてどんどん心情語を増やしていくと、親子で楽しい時間が過ごせるうえに、気持ちを読みとる問題にも対応できるようになります。
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