子どもの「読解力」を一気に上げる親の声かけ 目の前の文章を理解して解かせるには

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「でも私はその物語を読んでいないし、正解がわからないのに、なんのためになるのですか?」と思われた親御さん、これは子どもに正解を言わせるものではありません。

物語を読みとるための「型」づくりのお手伝いをしてほしいのです。

この声かけを繰り返していくうちに、「物語文はこういう型を使って読むんだな」と子どもはだんだん理解します。物語文の活字をただ追うだけの漠然とした読み方から抜けだし、物語文の読み方に変化が見られるようになります。

子どもたちが苦手とする「気持ちの読みとり」

ここからは、中学入試頻出であり、物語文の中でも子どもたちが苦手とする「気持ちの読みとり」について詳しくお話ししていきます。「中学受験の国語は、気持ちの読みとりがすべて」と言い切る先生もいます。

「気持ちの読みとり」について、子どもたちにこんな質問を投げかけます。「もし、先生が突然髪の毛を逆立てて、テキストを引き裂いて、怒鳴り声を上げたら、どう思う?」。

すると、子どもたちはその様子を想像してゲラゲラ笑います。

「この先生、頭がおかしいと思う」

「だいじょうぶかなと心配になる」

と口々に答えます。次に、

「もしAくんが先生に筆箱をぶつけて、それで先生が怒りだしたら?」

と聞くと、「それは怒って当然」と今度は納得の表情です。

「筆箱をぶつけられたら仕方ないよ」

と答えます。さらに、

「では、人が突然怒りだしたら変だと思って、筆箱をぶつけられて怒りだしたら仕方がないと思うのはなぜ?」

と聞くと、子どもたちは「なぜだ? なぜだ?」と首をかしげます。すると、クラスには必ず気がつく子がいるもので、

「わかった! 理由だ! 怒りだす理由があるからだ」

 と答えます。そうです。

「理由」があれば、人が怒っても周りは納得するのです。

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