子どもの「読解力」を一気に上げる親の声かけ 目の前の文章を理解して解かせるには

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大手塾でたびたび言われた言葉が、「講師は教えないように教える」というものです。講師なのに教えない、と矛盾を感じるかもしれませんが、講師が一方的に教えているとき、子どもの頭は案外、動いていないものなのです。大切なのは、子ども自らの気づき。それを促す働きかけをすることです。

「子どもの頭を動かす問いかけ」により、気づきや実感を引き出し、子どもが主体的に学んでいく。このようにして、教えたいことを教えていくと子どもの目の輝きも理解のスピードも違ってきます。

10年間、私は子どもたちがいかに主体的に楽しく学べるか、そのための「問いかけ」をずっと考えてきました。授業中、子どもたちの目がぱあっと輝く瞬間を見るために講師を続けてきたといっても過言ではありません。自分の頭で考え、自らが主体的に学ぶ意欲を見せたときに成績向上の成果が表れてきます。その声かけの具体的方法をお伝えしていきます。

塾のあとの「声かけ」はこれだけでOK

「親子だと、つい感情的になってしまって……」
と嘆く親御さんも多いでしょう。そんなに難しく考える必要はありません。

お子さんが実際、どのように物語文を読んでいるのか、読めているのか。

すぐにチェックできる「声かけ」を紹介しましょう。早速今日から実践してみてください。塾にお迎えに行かれることがあるでしょう。塾のカリキュラムが「物語文」とあった日には、

「誰が出てきて、何が起こったの?」

と尋ねてみてください。

誰も出てこない話などありません。作者は必ず誰かを登場させ、何か出来事を起こします。作者は物語文の中で、何かしら「出来事」を起こして、登場人物に「気持ち」を持たせます。こうした声かけによって「出来事と気持ちのつながり」を確認することができます。

このように声かけをすることで、物語文を読解するポイントである「気持ちの読みとり」を意識できるようになります。授業で学んだ内容を思い出して、「読み方」の振り返りができるのです。

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