レイザーラモンRG「スベり芸人」脱却できた理由 リーチ・マイケル選手のものまねで一躍注目

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それまでは「ハードゲイ」のキャラクターで一世を風靡した相方のレイザーラモンHGにおんぶに抱っこというイメージがあったのだが、このネタ以降、RGは芸人として完全に独り立ちを果たした。今ではレイザーラモンというコンビにも欠かせない存在となっている。

さらに、RGは「ものまね」と「あるある」という2つの武器を組み合わせて用いることもある。リーチ・マイケル選手を演じながらラグビーのあるあるネタを披露したりすることができるのだ。強力な技をかけ合わせることで威力はさらに倍増する。「ものまね」と「あるある」もそれ自体としては昔からあったものだが、それを独特の芸に昇華させて、両方を組みわせることまでできたのはRGだけだ。

「逆境あるある」の体現者

HGがハードゲイのキャラで大ブレークしていた頃、相方のRGは置き去りにされていた。HGに対抗するために、同じようなレザーの衣装を身にまとってRG(リアルゲイ)を名乗り始めた。このときの彼は「相方のキャラに安易に乗っかるやつ」というキャラをあえて演じていたのだが、世間にはそれがなかなか伝わらなかった。むしろ、安直な考えの薄っぺらい芸人だという烙印を押され、スベリキャラとして忌み嫌われていた。

だが、RGはそのどん底から見事にはい上がった。彼を救ったのは「ものまね」と「あるある」という2つの武器だ。彼自身が言っていた「逆境あるある」として「人間を成長させがち」というのがある。逆境を乗り越えて唯一無二の芸を確立したRGは、まさに「逆境あるある」の体現者なのだ。

ラリー遠田 作家・ライター、お笑い評論家

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らりーとおだ / Larry Tooda

主にお笑いに関する評論、執筆、インタビュー取材、コメント提供、講演、イベント企画・出演などを手がける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』(イースト新書)など著書多数。

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