レイザーラモンRG「スベり芸人」脱却できた理由 リーチ・マイケル選手のものまねで一躍注目

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彼のものまねは、似ているかどうかが問題ではない。時流の中からいち早くネタを見つけて、それを形にする。その圧倒的な早さこそが最大の強みなのだ。また、彼はものまねを堂々と披露する。演じている間は一切ひるまず、その人物になりきる。バカバカしいことを真剣にやり通す芯の強さがあるからこそ、彼のものまねは多くの人に愛されているのだ。

オリジナル技「あるあるネタ」の魅力

ものまねと並ぶRGのもう1つの武器が「あるあるネタ」だ。RGはあるあるを自分の専門にしていて、事あるごとに披露している。とくに、歌であるあるを言うというのが、彼のオリジナル技だ。

バラエティー番組などでは、RGがお題を与えられると、それにまつわる「あるあるネタ」を歌に乗せて披露すると言う。そして、おもむろに歌い始める。でも、その歌の歌詞には肝心の「あるあるネタ」がなかなか出てこない。周りの芸人たちがしびれを切らして「早く言え!」などと言うのも構わず、延々と歌い続ける。そして、サビの部分の最後の最後に歌詞に乗せてあるあるネタを披露する。

このネタは、あるあるネタで笑わせることだけを目的にはしていない。あるあるネタ自体を売りにするのではなく、それをなかなか言わないで引っ張る、ということ自体をネタにしているのだ。これは笑いの技法として画期的なものだった。

スピード重視の今の時代にテレビで芸人に求められるのは、瞬間的にボケやツッコミをひねり出したり、短いギャグやフレーズを繰り出したりすることだ。時間をたっぷりかけて1曲丸々歌い切るRGのあるあるネタは、そんな時代の流れに真っ向から逆らっていた。だからこそ特別に輝いて見えたのだ。

RGがあるあるソングを歌い出すと、周りの芸人たちは驚きあきれながらもツッコミをいれ、苦笑いを浮かべる。そんな芸人たちとのコラボレーションによってこのネタは成立している。このネタがヒットしたことで、RGの人気は急上昇した。

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