前半に描いた「日本の育児環境のいいところ」については、ほかにも「治安のよさ」がよくいわれます。これは確かにそうで、バルセロナではいつもスリにヒヤヒヤしながら生活してたし、小学校に入っても子どもの送り迎えは必須でした。
とはいえ、「子どもが1人歩きできる日本は安全!」と言い切るには、性犯罪被害などのニュースはしょっちゅう耳に入るので私にはためらいもあり……。ここに関しては安全と油断するのは怖いなと、あえて外してみました。
さて、日本のいい制度に関してはまだまだあります。例えば不妊治療に関しても、全額保障は難しいですが、自治体によっては一部を補助してくれます。育児補助の金券支給など、自治体の子育て支援もいろいろあります。
会社独自の子育て支援を充実させる企業も増えてきました。ここ数年で、家事手伝いやベビーシッターなどの外注サービスも驚くほど増えていますし、その費用を国が補助する動きも増えてきました。
問題もあるが、何とかしようと動いている人も多くいる
とはいえ、まだまだ制度が足りない、補助金が足りない、あっても使いにくい、問題があるなどの事例もたくさんあります。でもつい最近、そんな声を直接、地元の政治家に届けてくれるサービス「issues」が始まりました。さらに、必要な人に制度の情報を届きやすくするサービスを作ろうという計画を進めている人もいます。
日本には問題もある。でも、何とかしようと動いている人がたくさんいる。そんなふうに感動させられることが増えています。
そんな流れの中で改めて思ったのは、「日本について、絶賛するだけでも絶望するだけでも偏っている。日本のおかしい部分に対しては声を上げ、海外のすばらしい部分は吸収し、日本のいい部分には光をあて、さらにいい部分をレベルアップさせていく」ということの大事さでした。
そして、時代錯誤な”失言政治家”たちに振り回されすぎず、国や自治体の心ある人たちを信じて、制度を自分でしっかり調べることも大事だなと、自戒を込めて思ったのでした。
というわけで、今回学んだつかれない家族になるヒントは…
↓
国や自治体の補助制度、会社の支援制度、
NPOなどの支援制度をまずはしっかり調べてみよう
そのほかにも、「こんないい制度があるよー」というのがありましたら、ぜひコメントでシェアしていただけると嬉しいです。
さて次回は、スペイン生活の最後の取材。あるスペインの家庭から、「つかれない嫁姑問題」について紹介します。
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