最強牝馬「アーモンドアイ」がもつ圧倒的な力

天皇賞・秋は関係者も驚かせた驚がくの強さ

スタートは好対照。2番枠のアーモンドアイは好スタートを決めた。これならおそらくは逃げたアエロリットの直後につけるだろう。そう見ていた。サートゥルナーリアは少し立ち遅れた。しかし、スミヨン騎手がここで勝負をかけた。気合をつけて前に出ると、2コーナーの入り口のところでインに切れ込みアーモンドアイの前に入った。ルメール騎手が狙っていたインの3、4番手の内にサートゥルナーリアがおさまった。

アーモンドアイにルメール騎手が手綱を引いてブレーキをかけて位置を1列下げられた。ルメール騎手も「サートゥルナーリアに外からプレッシャーを受けた」とレース後に認めていた。もし接戦になればこの攻防はあとで響くかもしれない。筆者はそう思って見ていた。

それでもルメール騎手は冷静だった。外から好位に上がったもう1頭のライバルのダノンプレミアムの直後でマークした。リズムを崩しかねない不利を受けたアーモンドアイはすんなりと折り合った。これはさすがだった。

「バケモノだよ。まだ八分なのにな」

馬群の最内を追走していただけに、あとはどこに進路があるか。直線に向くとアーモンドアイは馬群の内で包まれる形。それでもルメール騎手はチャンスを逃さなかった。直線の坂の手前でアエロリットの内にあったスペースを突いた。このとき、アーモンドアイの反応はすごかった。

まさに、並ぶ間もなく一気にかわした。坂を上がったときにはすでに後続に差をつけていた。サートゥルナーリアは終始力んだ走りで余力がなかった。一度かわしたように見えたアエロリットにも差し返された。

終わってみればアーモンドアイの完勝。2着ダノンプレミアムには3馬身差をつけていた。ルメール騎手はゴールを迎える前に右手を挙げた。タイムの1分56秒2は2011年にトーセンジョーダンがマークしたレコードに0秒1差。ルメール騎手はウイニングランで何度もアーモンドアイを指さし、人さし指を1本立ててファンに1番強いことをアピールした。

レース直後に祝福の握手を交わした国枝調教師は筆者に「バケモノだよ。まだ八分なのにな」と笑った。JRAGⅠ5勝目は牝馬では6頭目。かつて国枝調教師が手がけたアパパネに並んだ。ドバイターフを含めたGⅠ6勝は牝馬としては4頭目。7勝のウオッカ、ジェンティルドンナに続き、ブエナビスタに肩を並べた。

あのディープインパクトですらGⅠ6勝目は通算13戦目。それをアーモンドアイは10戦目で成し遂げた。記録はまだトップでなくても、強さだけなら牝馬史上最高と言っていい。

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