凱旋門賞で惨敗の「日本馬」に必要なものは何か

今週末の天皇賞・秋は国内最強決定戦に

2019年の凱旋門賞はヴァルトガイスト(左)がエネイブル(右)を差し切って優勝した(写真:AP/アフロ)

10月6日にパリロンシャン競馬場で行われた欧州最高峰のGⅠ第98回凱旋門賞(2400m芝)は日本の競馬界に大きな衝撃を与えた。折しも現地は雨に見舞われて国内では経験したことのないような道悪となった。

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史上初の3連覇を狙った世界最強牝馬エネイブル(牝5、英・ゴスデン)は2着に敗れた。

直線で堂々と抜け出した時には筆者も3連覇の快挙を信じて疑わなかったが、よもや対戦成績が3戦3敗で勝負付けが済んだと思っていた同じ5歳世代のヴァルトガイスト(牡5、仏・ファーブル)がゴール前でエネイブルを差し切るとは思ってもみなかった。

ファーブル調教師はこれが凱旋門賞最多の8勝目。イギリス馬に3連覇をさせないという地元フランスの名伯楽の執念ともいうべき結果となった。

道悪の馬場でエネイブルも敗れ、日本馬も散った

とはいえ道悪で勝ち時計2分31秒97は昨年のエネイブルより2秒73遅い。エネイブル自身は3秒以上も遅かった。フランスギャロが発表したコース取りを含めた走破時計はヴァルトガイストが2分32秒11。エネイブルは2分32秒43。レースの上がり3Fはヴァルトガイストが38秒08でエネイブルは38秒85。逃げたガイヤースが10着に敗れた道悪の消耗戦で、エネイブルですら結果は早仕掛けだったということになる。

加えて、ヴァルトガイストは直線で前が壁になり外に持ち出した分、逆に脚がたまった。勝負のアヤは面白い。よもや昨年以上に順調にきたエネイブルがここで敗れるとは思えなかった。見た目にはデットーリ騎手の騎乗は完璧で仕掛けのタイミングもベストに見えた。エネイブル陣営ですら今年の敗因を道悪に挙げるほど馬場は悪化した。やはりピークを3年続けて頂点に立つのは難しい。

日本勢3頭は無残に散った。武豊騎手が騎乗した重賞未勝利のフランス馬ソフトライトが6着。「日本のホースマンにとってはショック」と武豊騎手も表情を曇らせた。キセキ(牡5、栗東・角居)の7着が最高。近年では最も馬場が悪化し上がり3F39秒6かかった菊花賞を勝った馬が、今回は走破時計が2分36秒00で3F42秒01を要した。いかに日本の道悪とは異質かということを認識させられた。

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