凱旋門賞で惨敗の「日本馬」に必要なものは何か 今週末の天皇賞・秋は国内最強決定戦に

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日本の馬場は欧州の馬場とはあまりにかけ離れている。生産段階から高速馬場に向いた血統で、育成段階でも国内の馬場への対応を最優先に調整していくのだから欧州の道悪で勝ち切ることが困難であることは間違いない。

それでもある程度の能力を持った馬とわかった段階で欧州の馬場を意識した馬づくりや調教を重ねていく必要があるのではないか。凱旋門賞制覇を日本競馬の悲願とするならば、それだけのことをしなければ欧州の馬場に対応できない。ただ、国内の競馬が優先であり、海外の競馬も凱旋門賞だけではない。馬場適性の差を埋めるのは一朝一夕ではできない。それも現実だ。

あとは、繰り返すが、やはり最強馬レベルの挑戦が前提だろう。筆者は凱旋門賞制覇が日本競馬の本当の悲願なのかといつも思う。スピードシンボリの凱旋門賞初挑戦から50年の節目を迎えた今年だからこそ、立ち止まってもう一度凱旋門賞というレースを考えるべきではないだろうか。

本気でこの壁を乗り越えるのか。それでも武豊騎手が「この結果は日本のホースマンとしてショックだが、トライして全力を尽くすのは最低限のこと。挑戦し続けなければ結果は出ない」と語ったことは強く印象に残る。「チームジャパン」とも言うべき挑戦が今こそ必要なのかもしれない。

天皇賞・秋は国内最強の座を懸けた戦いになる

アーモンドアイとサートゥルナーリア(牡3、栗東・角居)が国内に残っているため、10月27日に東京競馬場で行われるGⅠ第160回天皇賞・秋(2000m芝)で両馬の初対決が実現する。近年の日本の競馬でこれほど胸が躍る激突はなかった。

ロードカナロアの牡牝の代表産駒が国内最強の座を懸けて戦う。アーモンドアイはC・ルメール騎手、サートゥルナーリアには短期免許で騎乗するC・スミヨン騎手とのコンビで臨む。かつてフランスでライバルだった両騎手の対決も見ものだ。そして、この2頭が今後海外に舞台を求めるのか。さまざまな意味で天皇賞・秋は大注目のレースとなる。

高橋 利明 福島民報 記者

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たかはし としあき / Toshiaki Takahashi

1965年生まれ。子どもの頃から地元の福島競馬場に通う。1989年に成蹊大学卒業。入社2年目の1990年に念願の福島民報社競馬担当記者へ。1993年から本紙予想を担当。福島テレビ、ラジオ福島の競馬中継にも出演。永遠のアイドルホースはハイセイコー。競馬の現場記者であり続けることが目標。
 

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