「大学統合」が地方創生と再編のきっかけになる

地方の国立大中心に経営統合の表明相次ぐ

大学を運営するには大規模な施設や設備、教員や職員の人件費が必要だが、行政と大学が手を取り合って、経営面などの課題を解決していけば、京都やつくばのように一部の地域でしか享受しきれなかった大学と地域のウィンウィンの関係性をより多くの地域に拡大させることが可能となるだろう。

役割2. 地場経済の振興

大学が地域産業との連携を高めることで、地場経済の振興が期待できる。

例えば、地方創生先進国と言われるドイツでは、フラウンホーファー研究所と地場の大学が中心となり、あらゆる都市に産業クラスター(集積)を形成している。

大学が、地元企業の新製品開発をそのノウハウを生かす形で支援しており、それがイノベーションの源泉として機能している。今では小規模都市であっても大きなGDPを得る都市がいくつも生み出されている。

それを如実に示すのが研究施設の立地と人材の現状だ。JST(科学技術振興機構)の2014年調査結果によると、ドイツ国内にあるほぼすべての研究所が、大学の敷地内もしくは隣接した地域に立地しており、79人の研究所長のうち 74人が大学教授を兼任する制度が敷かれている。

日本国内に目を向けると、大学と一口にいっても教育に強い大学、基礎研究に強い大学、応用研究に強い大学などさまざまな特色がある。

文部科学省も「地(知)の拠点大学による地方創生推進事業」(通称COC+事業)として、大学と地域の協働による人材育成、人材集積を推し進めており、本格的な地方創生実現につながることを期待したい。

大学が国際的知名度をあげる

3. 国際性の向上

大学には海外の多くの国から留学生や研究者が集積するため、必然的に国際性の高い都市づくりが可能となる。また、それらの人々が定住することもあれば、自国に帰った際に当該地域の観光大使的な役割を担ってくれることも期待できる。

例えば、国際性豊かな立命館アジア太平洋大学(APU)がある別府市では人口の約3.5%が外国籍居住者となっている。さらに、研究都市のつくば市は外国人居住者比率が4%を超えている。全国平均が2019年に初めて2%に達したという状況を踏まえると、大学が国際性の高い街づくりができているか、うかがい知ることができる。

このように、地域創生を考えるうえで大学の存在は非常に大きいことがわかる。しかし、少子化の波の中でその影響力を発揮しきれていない大学も多い。大学が、その競争力、経営基盤を強固にするためにも、大学間の経営統合が有力な選択肢となる。

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