東京マラソン直前、“一夜漬け”の成否 レース1週間前からの「調整」でタイムは縮まる?

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テーピングと聞くと本気な感じもするが、近年はブルーやピンクなどカラフルなタイプが続々と登場。短パンとのコーディネートはなかなかオシャレだ。しかも、プレカットテープは、あらかじめ使用する部位のかたちにフィットするようにカットされているので、ビギナーでも簡単に使用することができるのが特徴だ。

中でも「ひざ」と「足裏」をお勧めしたい。ひざはレース時にいちばん痛みが出るところ。心配な人はテープであらかじめひざ周辺(太腿なども)をサポートしておけば安心だ。足裏は「アーチ」と呼ばれる土踏まず部分のこと。距離が進むにつれてアーチが落ち、それが足底筋膜炎、外反母趾、シンスプリント、ふくらはぎ痛などの原因になる。また、アーチが下がると、着地時の足裏バランスが崩れ、キックも不安定になるため、足裏をテーピングで補強することで、ケガの予防だけでなく、走りも変わってくる。ちなみにプレカットテープは2枚セットで1000円弱程度。試してみる価値はあるだろう。

機能性タイツも現在は多くのメーカーが参戦しており、種類も豊富だ。こちらはロングタイプで1万5000円程度するが、ひざ部分を合わせて履くだけでいいので、プレカットテープよりもずっと簡単だ。ひざ周辺のテーピング効果に加えて、段階着圧でふくらはぎもサポート。中には、腰や骨盤を安定させて、上半身のブレを防いでくれるタイプもある。特に4時間以上かかるランナーには効果的なアイテムといえるだろう。自分の筋力で弱点があるならば、ギアで補うのも大人の戦術だ。

東京マラソンのスタート時間は9時10分。朝早いこともあり、緊張で眠れなかったというナイーブな方もいるだろう。でも、ベッドの上で横になっていれば疲れはとれるものなので、無駄な心配はしないように。きっと大人の「調整力」と緻密な「レースプラン」で、最大限のパフォーマンスを発揮できるはず。ぜひレースを楽しんで、最後は笑顔でフィニッシュしていただきたい。

酒井 政人 スポーツライター

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さかい まさと / Masato Sakai

東農大1年時に箱根駅伝10区出場。現在はスポーツライターとして陸上競技・ランニングを中心に執筆中。有限責任事業組合ゴールデンシューズの代表、ランニングクラブ〈Love Run Girls〉のGMも務めている。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』 (oneテーマ21) がある。

 

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