東京マラソン直前、“一夜漬け”の成否 レース1週間前からの「調整」でタイムは縮まる?

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サブ3(3時間切り)から完走目標のランナーまで、基本的な考え方は同じだ。レース1週間前(土曜日or日曜日)に中ぐらいの刺激を、レース4日前(水曜日)に小さな刺激を入れる。トップランナーのように序盤からハイペースで走るわけではないので、レース前日は軽くカラダを動かす程度で十分だ。くれぐれも、走り過ぎないように注意したい。

ラスト1週間で走行距離を増やすのは得策ではないが、「イメージトレーニング」は何度も行ってほしい。できれば、走るときも、イメージを膨らませると効果的だ。たとえば、1週間前の刺激(10km走)も最初の5kmを「スタートから5km」を、後半の5kmを「20~25km」を走っていることをイメージすると本番での動きにつながりやすい。また、目標タイムに合わせたレースの「プランニング」も必要だ。最も効率的なイーブンペースが基本になるが、実業団選手でも大半は終盤にペースダウンしている。後半は少しペースが落ちることと、トイレに行くことも考えて、目標タイムで走るにはどんなペースで進むべきなのか。しっかりと計算してから本番に臨んでほしい。

ストレッチやマッサージも、コンディショニングを整えるのに最適な方法だ。ストレッチなら自宅でひとりでもできる。カラダをじっくりと伸ばすことで、血液の流れがよくなり、疲労物質がとれやすくなる。ただし、マッサージは少し注意したい。脚の筋肉をほぐしすぎると、刺激を入れた意味がなくなってしまうからだ。レース前のマッサージは脚ではなく、背中がお勧め。背中をほぐすことで、走りの起点となる肩甲骨が動きやすくなり、走りも“軽く”感じるはずだ。また、呼吸が楽になるため、酸素も確保しやすくなる。

カラダが整ったところで、次はエネルギーの補給だ。マラソンではカーボ・ローディングも有効な手段となる。レース3日ほど前から、意識的に炭水化物(ご飯、餅、うどん、パスタなど)を摂取するだけでOK。筋肉などにエネルギー源となる炭水化物をため込んでいくイメージだ。食べるメニューに気をつけるだけでタイム短縮につながるので、ぜひ実践してほしい。

トレーニング不足は最新ギアでカバー

コンディショニングを整える方法は、なんとなく理解できたと思う。これで普段の練習時と比べて、本番での調子は格段にUPするはずだ。しかし、トレーニング不足を解消するまでには至らない。では、どうするのか。トレーニング不足は最新ギアでカバーしよう。特にお勧めしたいのが、「プレカットテープ」と「機能性タイツ」による“テーピング”だ。

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