「自分でやりたい中毒」から今度こそ抜ける方法 プレイングマネジャーに必要な「3つの心得」

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少し、考えてみましょう。あなたは、次のような悩みを抱えていないでしょうか。

・いちいち指示を出さないと、部下が動いてくれない
・部下がミスを恐れて、なかなか挑戦しようとしない
・業務を引き継ぎたくても、部下が育たない
・残業を減らしたいが、誰も業務効率化について本気で考えてくれない
・誰も手伝ってくれないので、仕事を持ち帰ることがある

これは、かつての私も抱えていたジレンマです。

これらの問題が、部下の力を借りると決めたことで、一気に解決に近づいたのです。

心得②「今」ではなく「1年後」に視点を置く

「まだ、部下には任せられない」

マネジャーがこう考える背景には、「自分でやったほうが早い」という思いがあります。

マネジャー自身がやったほうが確実で早いのは当然です。

そのうえ、いちいち説明するのにも時間がかかりますし、任せたところで、結局はミスが起こらないよう確認をとることになるわけですから、仕事を引き継ぐのが面倒になる気持ちはよくわかります。

だったら、無理して引き継ぐ必要なんてないと感じますが、それではいけません。なぜなら、「自分でやったほうが早い」と考えるマネジャーは、先のことを考えていないからです。

「自分でやったほうが早い」で、仕事が回るのは今だけ。今後、チームの規模が大きくなったり、仕事が増えたりしたら、確実に回らなくなります。次のような例で考えてみてください。

あなたは、リンゴをむく仕事をしているとします。あなたのチームには、あなたを含めて3人のメンバーがいます。あなたのリンゴをむくスピードは、ほかのメンバーの3倍。

今、目の前には3つのリンゴが置かれています。このくらいの量なら、あなたがパッと3つのリンゴをむいてしまったほうが早いでしょう。

このとき、あなたならどうしますか?

判断A:スピードを優先し、自分でやる
判断B:メンバーに経験を積ませるために、あえて任せる

正解は、もちろんB。

りんごが3個ならいいですが、これが300個になったとき、いくらあなた1人が頑張っても、ほかのメンバーが成長していなければ、とても追いつきませんよね。

こう単純化して考えると、Bが正解だと素直に納得できるのですが、実際の仕事の現場では、多くの人がAの判断を下してしまうことが多いもの。

そうならないためにも、プレイングマネジャーには、目先のことにとらわれず、物事を中長期で考える視点が求められるのです。

もちろん、部下に仕事を引き継ぐと、最初はトラブルも起こりますし、手間がかかります。でも、それは「最初だけ」と割り切ってください。

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