「1台1億円」乗り鉄も興奮する鉄道の大きな魅力 雄大な大自然を満喫できる「トロリーバス」
立山黒部アルペンルートとは? 標高3000メートル級の北アルプスを臨み、ルートの総延長は37.2キロ、最大高低差は1975メートルである。ほぼ全区間が中部山岳国立公園内にあり、立山黒部の雄大な大自然を満喫できる。
富山県の立山駅から東へ30.5キロメートル、長野県側の大町市扇沢駅から西へ6.1キロメートル離れた位置に黒部ダムがあり、同ダムを造るために北アルプスを貫いて築いた道を、昭和40年代に整備したのが立山黒部アルペンルートである。立山駅から扇沢駅まで、立山ケーブルカー・立山高原バス・立山トンネルトロリーバス・立山ロープウェイ・黒部ケーブルカー、関電トンネル電気バスを乗り継いで移動する。
ちなみに同ルートの主要運輸会社である「立山黒部貫光」の社名は、「観光」ではなくあえて「貫光」とされた。「日本国土の中央に横たわる中部山岳立山連峰の大障壁を貫いて、富山県と長野県とを結ぶ」という創業者の思いを社名に託したそうである。
「バス」のようで実は「鉄道」
このたび、立山トンネルトロリーバスのバックヤードツアーに参加した。このバスは立山トンネル内を軌道とし、室堂駅(標高2450メートル)と大観峰駅(同2316メートル)の3.7キロを約10分で走る。同トンネルの開通は1971年で、1995年まではディーゼルエンジンバスが運行されていた。しかし、排気ガスによる自然への悪影響を避けるため、1996年にトロリーバスへと切り替えた。
トロリーバスは一見、バスのように見えるが法令上、鉄道の扱いとなる。鉄道事業法では「レール(軌条)がない電車」という意味で、「無軌条電車」と呼ばれる。架線から電気を得ながら走るバス、つまりレールのない路面電車のような乗り物なのである。「乗り鉄」ならずとも、「どんな仕組みで走っているのか?」と興味が湧いた。