「1台1億円」乗り鉄も興奮する鉄道の大きな魅力 雄大な大自然を満喫できる「トロリーバス」

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トロリーバスはかつて、全国で運行されていた。しかし国内では現在、立山トンネルでしか走っていない。立山黒部アルペンルートの関電トンネル内を走っていた関電トンネルトロリーバスが2018年11月末で、電気バスに更新されたためである。

立山トンネルトロリーバスの発着地である室堂駅は、日本一高い場所にある駅でもある。そこで立山黒部貫光は「立山トンネルトロリーバスに乗れば、日本一を2つ味わうことができる」と同バスの存在価値をアピールしている。

これらトロリーバスと、立山黒部アルペンルートの歴史を踏まえてバックヤードツアーに参加した。案内役は、立山黒部貫光株式会社運輸事業部運輸課室堂運輸区区長代理の早川忍さん(46)。まず、切符売り場横にある運転指令室へ。軌道内の要所の映像がモニターで表示され、信号監視制御盤では8台のバスの動きがひと目でわかった。

目を奪われる重厚な動力装置

続いて、バスの乗降場を通って整備工場を見学した。車体は全長約11メートル、高さ約3.3メートル、幅約2.5メートル。座席の下にはバッテリーなどさまざまな機器が装備されており、早川さんは車体側面の扉を次々と開いて、機器の名称とそれぞれの役割を解説した。なかでも目を引いたのは車体後部のVVVFインバータ装置である。600ボルトの直流電源を交流電力に変換する。大がかりな装置に目を奪われた。

立山トンネルトロリーバスの車体後部にあるVVVFインバータ装置。走行すると独特の音がする(記者撮影)

車体を下からも眺めてみた。整備工場の床面には深い溝が掘ってあり、ここに潜るとバスの心臓部であるモーターを見ることができる。うっかり腰を上げると頭を打つため、ヘルメットを着用。低い姿勢で、そろりそろりと歩きながらの見学となった。

車体の下にはびっしりとさまざまな動力装置が取り付けてある。しゃがんで顔を上に向ける苦しい体勢にもかかわらず、金属の重厚感や複雑な構造に、思わず見入ってしまった。

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