「社員が休まない会社」が抱える根本的な問題 経営者からみて休みはメリットでしかない
その後、ベンチャー企業を退職し、フリーランスのコンサルタントとして活動するようになると、再びコンサルティングファーム時代と同じプロジェクト単位(プロジェクトが終わった後、休みをまとめて取る)での働き方となった。
それから月日が経ち、みらいワークスを立ち上げたのは2012年のこと。今だから言えるが、創業当時は自分も社員も夜中まで働くような働き方をしていて、私自身も社員も「休みを取る」という感覚はなく、とにかく会社を成長させることに集中していた。
しかし、社員15人ほどの規模になった頃、単身者ばかりではなく家庭を持つ社員も働くようになったことをきっかけに、社員も自分もきちんと休みを取ろうという感覚が芽生えた。
「休んでいい」と言っても…
そして現在、私自身はゴールデンウィークと年末年始に長期休みを取り海外旅行に行く休み方をしている。普段は短期的な意思決定に追われているため、長期休暇中は、デッドラインが決まっていない重要な意思決定や、中長期的な事柄を考える時間に充てている。今まで、起業したり、新規株式公開(IPO)を目指したりなど、日常でなかなか取り掛かることができない重要な意思決定は、いつも旅行中にしてきた。
このような自分自身の経験から、働く環境や立場、業務の特徴によって、休み方や休む感覚は異なってくるものだと感じている。
私が休み方や休む感覚は人それぞれ違うと気づいたのは、前述したとおり会社が15人ほどになり、社員の休ませ方を考えるようになったことがきっかけだった。しかしながら、休んでもいいと言っても休まずがむしゃらになって働いてくれる(働いてしまう)社員もいて、心身ともに休ませる経験がない社員へ、休むことの大切さを気づかせる必要性も出てきた。
そのために、お盆の休暇取得を推奨したり、年末年始は全社的に休暇にしたり、ノー残業デーやプレミアムフライデーを設定したこともあった。会社として強制的に休みを設定し、「休暇を取るのはいいものだな。リフレッシュできるのだな」と体感してもらうための取り組みであった。
だが、考え方は人それぞれ。強制的に休みを設定しても、仕事することを希望する人もいる。働き方改革で、強制的に残業時間を制限したり、有給休暇の取得率を上げるための法整備がされているが、これによりハッピーになる人ばかりとはかぎらないのだ。
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