「あなたの番です」の熱狂に見えたドラマの未来 視聴者の今をとらえたコンテンツのすごみ

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名作よりもすごい作品がコンテンツビジネスの可能性を切り開きます(東洋経済オンライン編集部撮影)

何度もツイッターの世界にランクインしたほか、1位も記録。「#あなたの番です考察」が飛び交うなど、ネット上に書き込みが殺到しているほか、ユーチューバーが考察トークライブを企画するなど、ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)が、かつてないほどの盛り上がりを見せています。

しかし、4月のスタート当初は、「長編ミステリーで2クール(半年間)は持たない」「30人超の主要キャラクターは多すぎて理解してもらえない」「殺人ばかりで日曜夜に見るドラマとしては暗すぎる」という否定的な声が多数を占めていました。

実際、クチコミだけでなく序盤の視聴率も、前々期の『今日から俺は!!』、前期の『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』を大幅に下回っていましたが、中盤以降はクチコミ、視聴率ともに右肩上がり。この1週間は9月8日の最終話に向けて、「楽しみで待ちきれない」「最高視聴率更新は確実」などのポジティブな声が飛び交っていました。

『あなたの番です』について見解を尋ねたところ、ある民放テレビ局のドラマプロデューサーは「間違いなく今年最大のヒット作」、ある経済系雑誌の編集長は「ドラマだけでなく、エンタメ全般、あるいは、あらゆるコンテンツの中で、今年最も支持された商品ではないか」と言っていました。

ここでは最終話の予想やミステリーの考察ではなく、『あなたの番です』がビジネスとしていかにすごいのか? エンタメに限らずコンテンツとしてどんな可能性を見せているのか?を掘り下げていきます。

話題性を高める大・中・小の複合的な仕掛け

『あなたの番です』のテーマは、同じマンションの住民たちによる交換殺人ゲーム。連続殺人事件をめぐるミステリーであり、日本テレビとしては約25年ぶりとなる2クール放送の作品です。

半年間の長丁場を乗り切るために、制作サイドが最も重視したのは話題性。なかでもネット上の話題性を高めるために、関心や衝撃のサイズが異なる大・中・小の仕掛けを繰り出しています。

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