1強スタバが「コーヒー職人育成」を急ぐ理由 自社だけに限らず業界自体の発展も課題だ

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スターバックスのバリスタが淹れたラテアート=2018年10月当時(筆者撮影)

国内のカフェチェーンでは、スターバックスの突出ぶりが際立ってきた。

すでに店舗数は1400店を超え「1500店も視野に入ってきた」(関係者)。現在、国内店舗数が500店を超えるのは4社だが、1000店超は「スターバックス コーヒー」と「ドトールコーヒーショップ」だけ。10年前はドトールが1100店台、スタバは800店台と300店近く差をつけられていたが、現在は、逆にドトールに300店以上の差をつけている。

運営会社であるスターバックス コーヒー ジャパン(日本法人)の業績も他を圧倒する。売上高は1800億円を超え、ドトールコーヒーの約2.5倍だ。躍進が目立つ3位コメダと4位タリーズだが、スタバとは売上高で5~6倍もの差がある。

そのスタバが、このところ「バリスタ」(コーヒー職人)の強化に力を注いでいる。社内では「高いレベルでのコーヒーエデュケーション(教育・育成)の実践」を掲げる。

なぜ、バリスタ育成に力を入れるのか。今や同社の動きは、コーヒー業界を左右しかねないほどの存在感だ。最近の活動や背景を含めて考察してみた。

今年で16回目の「社内競技会」

8月22日、東京都内で「コーヒーアンバサダーカップ」と呼ぶ、競技会が行われた。

スターバックスの従業員(同社は「パートナー」と呼ぶ)がコーヒーの技術を競う、社内競技会の決勝大会だ。2000年に日本で始まり、現在は世界各地域でも実施される。

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