「お菓子中毒」のまったく穏やかでないリスク お菓子断ちをしてみて初めて気づく禁断症状

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なぜかというと、健康を意識して減塩を考慮している飲食店もありますが、ほとんどのお店は濃い味つけの料理を提供しているからです。そのため、外食を続けると濃い味に慣れてしまい、薄味では満足できなくなってしまいます。

お菓子によるマイルドドラッグからの脱却は、自分がお菓子中毒であることを自覚するところから始まります。

中毒から脱却するには

お菓子中毒を克服するには、快楽に対して鈍感になっている脳をリセットしなければなりません。そのために肝心なのは、中毒の原因になるものを絶つこと。お菓子中毒の場合は、お菓子を食べないことです。

このとき大切なのは、スッパリと断つこと。ちょっとだけなら大丈夫だろうと口にしてしまうと、脳はなかなかリセットできません。

とはいうものの、長年、食べ続けてきたお菓子を断つのは簡単なことではありません。まずは1週間、1週間がつらい人は3日など、自分で期限を決めてお菓子を食べない期間を設けましょう。

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途中でくじけてしまっても、またお菓子断ちを始めれば大丈夫。続けるうちに次第に中毒状態が薄まっていきます。

最初はつらいかもしれませんが、長い目で見れば「お菓子を一切食べないこと」が中毒から脱却する近道となります。

意識的に行動習慣を変えることも有効です。例えば、コンビニエンスストアは帰宅が遅いサラリーマンの強い味方ですが、用事もないのにふらっと立ち寄ってお菓子を買ってしまうのは厳禁。また、夜遅くに炭水化物たっぷりの弁当を買い、食べてすぐに寝るような生活も避けましょう。

ただしこの先、一生お菓子を食べてはいけないというわけではありません。例えば、天然由来の甘味料を使ったものや、季節の果物をふんだんに使ったスイーツ、素材にこだわるお店のお菓子などは、中毒性がそれほど高くないので少量なら食べても大丈夫です。

お菓子断ちを続けるためのキーワードは「質のいいものを少しだけ」。時々は甘いお菓子を食べてガス抜きをしつつ、無理なくお菓子断ちを続けたいものです。

白澤 卓二 医学博士、白澤抗加齢医学研究所所長、お茶の水健康長寿クリニック院長

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しらさわ たくじ / Takuji Shirasawa

1958年神奈川県生まれ。1982年千葉大学医学部卒業後、東京都老人総合研究所老化ゲノムバイオマーカー研究チームリーダーなどを経て、2007年より2015年まで順天堂大学大学院医学研究科・加齢制御医学講座教授。寿命制御遺伝子やアルツハイマー病などの研究が専門。テレビの健康番組や雑誌、書籍などのわかりやすい健康解説が人気。

著書・訳書・監修に『「いつものパン」があなたを殺す』(三笠書房)、『世界のエグゼクティブを変えた超一流の食事術』(サンマーク出版)、『アルツハイマー病 真実と終焉』(ソシム)、『アルツハイマー革命 ボケた脳がよみがえる』(主婦の友社)、『肥満遺伝子』(祥伝社)など多数。

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