「話をスルーされがちな人」に欠けている視点 聞き手は聞くメリットを感じていない

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Step4:メリットを享受できる具体的なステップを説明する

最後のステップの目的は、聞き手の行動を促すことです。話や説明などのコミュニケーションは、相手を動かしてこそ価値が出るのです。

やらないと相手の気持ちが冷めてしまう

『感動する説明「すぐできる」型』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

Step3までの説明を聞き手がしっかり理解できていれば、その内容を取り込みたい気持ちでいっぱいになっているはずです。ここで満を持して、具体的にどういう手順を踏んでいけば、自分が使いこなせるレベルまでいけるのかを伝えていきます。

覚えておいていただきたいのは、Step3で止めずに、このStep4まで必ず行うことが大事だということです。なぜなら、聞き手の気持ちが盛り上がったときに、具体的な行動を促すステップまで説明しておかないと、相手の気持ちが冷めてしまうからです。

「そのうちに……」と思いはじめ、そのまま忘れ去られてしまう可能性が高くなります。聞き手のメリットを最も大きくさせるためには、多少の手間暇がかかるとしても、具体的なステップまでしっかり説明すべきなのです。

この「メリット訴求」の型は、当たり前であるがゆえに、ついつい手薄になりがちです。人によっては、わざとらしくなりそうで躊躇してしまうこともあるかもしれません。

それでも、聞き手の心を動かすためには、あなたの説明を聞くメリットをしっかり伝えることが大切です。大切なことは、いったん「型(フレーム)」にはめてみることです。それでやりにくかったら、使いやすいように修正を加えていけばいいのです。

犬塚 壮志 教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役

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いぬつか まさし / Masashi Inutsuka

福岡県久留米市生まれ。大学在学中から受験指導に従事。業界最難関といわれる駿台予備学校の採用試験に当時最年少の25才で合格し、開発したオリジナル講座は開講初年度で申込当日に即日満員御礼、キャンセル待ちの大盛況。3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一(映像講義除く)。年間1,500時間以上の講義を行う中で、多種多様な説明パターンを身につけ、「大人の学び方改革」を目的に駿台予備学校を退職。講座開発コンサルティング・教材作成サポート・講師養成・営業代行をワンオペで請け負う「士教育」を経営。ありとあらゆるシチュエーションに必要な説明スキルを磨き上げる。

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