東洋経済オンラインでの連載「育休世代VS.専業主婦前提社会」に大幅加筆した書籍、『なぜ共働きも専業もしんどいのか~主婦がいないと回らない構造』。これに合わせて、有識者らにインタビューをして本著の議論をもう一段進める。お話を聞くのは前回に続き、慶應義塾大学大学院商学研究科の鶴光太郎教授。
「ジョブ型正社員」が増えた場合の働き方の変化は?
中野:今年5月に規制改革推進会議で、「ジョブ型正社員」の法整備が提言されています。前回記事で、企業内の昇進ルートなどがどのように変わっていくかイメージが湧いてきましたが、「ジョブ型正社員」が増えていった場合、個人の働き方としてはどのように変わっていくでしょうか。
鶴:ジョブ型というのはその領域のプロを自任するわけで、自分の市場価値を明確化することもしやすいです。どのような貢献をすることによりどれくらいの処遇を受けられるかが無限定の総合職より明らかなので、適切な処遇を受けられないのであればいつでも転職しますというふうになる。
この緊張感があることは企業にとってもプラスだと思います。ジョブ型にしたらどんどん人が抜けるということではなく、いつ抜けてもいいとなれば処遇をそれなりにする。働き手も処遇に見合った貢献をしないと、となる。流動性も高まれば生産性向上にもつながる。本人もどれくらい貢献しているかを意識するし、企業も評価する。
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