今回のコラムでは、「バーナンキFRB議長、最後のFOMC」ということが「一つのお題」だったが、正直、気乗りがしなかった。市場もアルゼンチン通貨危機から大幅下落しているし、絶好のネタの豊富なタイミングと思われているかもしれないが、そうではない。今の市場はつまらない。それが、今回のポイントだ。
自作自演の「仕掛け相場」に惑わされるな
前回のコラムでは、「2014年の市場は退屈への反乱に警戒せよ」と書いたが、まさに、今回のアルゼンチン危機もそうであるし、FOMCを受けて、株価は下がっているが(現在の執筆時点は1月30日午前である)、これはFOMCとは関係がないし、本質的な意味もない。2013年12月に上がりすぎた分、下がっているのであり、円安になりすぎた分、円高に戻しているだけなのだ。
それもすべて短期投資家筋の独り相撲だ。自作自演の仕掛け相場と言ってもいいが、そんなものにいまさらひっかかる投資家は少数派で、ほとんど全体の市場の流れには影響がない。
もちろん、FOMCも影響を受けず、新興国通貨の波乱には動じず、淡々と量的緩和による資産買入額の縮小を発表した(念のためだが、まだ量的緩和は拡大しているのである。拡大が終了するのが年内かどうか、ということで、量的緩和(というよりバランスシートポリシー)は、当分終わらない)。
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