実録!ホームレス施設からハーバード入学の道

シングルマザーが実践!8つの「子育ての公式」

(2)学校の問題を解決する「整備士」に

子どもが学校にあがると、整備士の役割が重要になる。宇宙船のフライトエンジニアは、船内のあらゆるシステムに目を配り、必要があればほかの乗組員の仕事を肩代わりする。

これと同じで整備士の役割を果たす親は、子どもに関わるすべての人と制度が子どもにとっていちばんいい形で動いているか確認する。しつけがうまくいかない、宿題に対する先生のコメントに子どもが困っている、頑固な先生と強気な子どもが対立しているなど、問題が起こりそうになると整備士が割って入り、周りと協力して解決する。

ジャレルが転校するたび、エリザベスは校長に会って英才教育クラスに入る試験を受けさせてくれと頼んだ。いちばん難しいクラスに行けば、高度なスキルと知識を身につけられる。息子が優秀な子たちと肩を並べ、英才教育児に約束されたチャンスを手にするには、そうしたスキルと知識が欠かせないと考えたからだ。

(3)成功を大胆に後押しする「手配役」

手配役の仕事も、問題を解決することにある。けれど整備士が子どもの生活圏内(主に学校)のトラブルに対応するのに対し、手配役は緊急事態が起きると駆けつけ、チャンスの扉が閉ざされないよう、独力で問題を解決する。

これには、お金や人脈をもった支援者を見つける、なじみのない複雑な制度の利用法を調べる、といった仕事も含まれる。海外特派員が外国で安全に取材できるようフィクサーを雇うように、手配役を務める親は、子どもの成功に必要なツテや情報を探しだす。エリザベスも、息子がハーバード大学に学費免除を申請できるよう牧師に助けを求めた。

外の世界を見せること=「可能性」への気づき

(4)新しい世界を見せる「紹介役」

紹介役は子どもに新しいアイデアを示す。どんなことを学べるか、どこに行けるか、どんな人間になれるかなど。子どもの想像力を刺激し、視野を広げる話題を紹介するとともに、将来歩めるかもしれない道を見せて、人生の可能性に気づかせるのだ。

エリザベスは息子を教会で活動させ、無料のコンサート、美術館、パレードに連れていって世界を広げた。貧しい子どもが社会で活躍する先輩に出会う場をつくり、黒人でも成功できるという見本を示すプログラムにも参加させた。そうすることで彼女は息子に、貧困家庭の子どもは目にできない世界を見せた。

この経験を通じてジャレルは、恵まれた人とそうでない人の橋渡しをするという、教師として今の自分に何より大切な使命も見つけた。

次ページエリザベスが息子に伝えた哲学
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