『中途採用者に対する差別はあるか』(36歳男性) 城繁幸の非エリートキャリア相談
終身雇用の崩壊、成果主義の導入などにより、日本人の「働き方」は激変。その結果、自身のキャリアに迷えるビジネスパーソンは増えていくばかりだ。これまでの古い「昭和的価値観」から抜けだし、新たな「平成的価値観」を身に付けるためにどうすればいいのか。日本の人事制度を知り尽くした城繁幸氏が、あなたの悩みにお答えします。
CASE:18
『中途採用者に対する差別はあるか』(36歳男性)
<相談者の悩み>
はじめまして。今年36歳になる地方信金勤務の事務職です。業務は内部管理から営業まで、わりと幅広く経験してきました。
実は、現在転職を検討中です。別に今の会社に不満というほどのものは無いのですが、虚無感のようなものは強く感じています。
人事制度は一応目標管理をやってはいますが、上司の降格なんてないんです。だから上がつかえていて、我々バブル以降の世代が部長や支店長になるのは、いったいいつのことになるのやら。それに、もう3年前から昇給もありません。
今のままだとこれ以上の給料アップが望めないこと、社内を見渡しても、これ以上キャリアアップにつながるような業務も無いことから、社外に活躍の場を求めたいと考えている次第です。
そこで人材紹介会社に登録し、いくつか転職候補を紹介された中で、大手銀行系の信販会社を検討中です。キャリアも活きそうですし、待遇的にもそれなりに上がる見込みです。なにより「努力次第でもっと上に行ける」という社風とのこと。今の会社から見ると、これほど意欲をかきたてられる条件はありません。
ところが、つい先日、昨年別の会社(金融以外のサービス業です)に転職した元同僚から、気になる話を聞きました。
『中途採用者は差別され、なかなか評価してもらえない』
確かに、今の会社を見渡してみれば、思い当たる節はあります。勤続年数第一、純血主義の社風で、転職者を受け入れるといったカルチャーは見当たりません(単にうちが古いだけかもしれませんが)。
そこで、実際に中途採用者に対する差別や、使い捨て目的の採用といったハンデは存在するのでしょうか?一般論で結構ですので教えてください。