授業についていけない「外国ルーツの子」の苦悩

日本語が流ちょうでも勉強は別問題

外国ルーツの生徒が直面する壁の1つに、「日本語教育が必要なのに、国語教育を与えられる」問題がある。外国人に必要な「日本語教育」と、学校で受ける「国語教育」とは違う。来日したての子どもに漢字の書き取りをさせたり、教科書を機械的に音読させたりするケースは多いが、それだけでは身に付かない。日本語を基礎からしっかり学ぶためには、専門家である日本語教師の指導が必要となる。

淀中学校では、大学から日本語教育の専門家を招き、「日本語指導の必要性」を学ぶ研修を行った。このように、学校が進んで日本語教育を行う例は珍しい。そこには前任者から引き継いだ、有田校長の思いがある。

ボランティアの熱意頼みの現状

「子どもたちが日本社会で生きていくためには、語学力と学歴が必須です。彼らが自立するには、日本語を理解し、高校を卒業する必要がある。これは子どもの教育問題であり、本人にとっての死活問題でもあります。それほど重要な教育を、ボランティアの熱意に甘えてずっと頼っている状態は、おかしいのではないでしょうか」

そう強く主張する背景には、外国ルーツの子どもへの支援が、依然として地域のNPOやボランティア頼みという現実がある。

「グローバル教室」で生徒を見守る有田校長(左)(筆者撮影)

西淀川区にはグローバル教室以外にも、外国ルーツの中学生を支援している場所がある。現在、NPO法人おおさかこども多文化センターが主催している、「たぶんかじゅく アニモ」だ。

淀中学校とも連携し、マリアさんをはじめグローバル教室に通っている生徒もやってくる。もともとは、地域の活動として外国ルーツの小学生向けに支援教室が始まり、続いて中学生向けのアニモがスタートした。

週に1度、地元の薬局2階の会議室に集まり、勉強する。1年半前に来日した日系ペルー人のひでみさん(仮名)も、淀中学校からの紹介でアニモに通い始めた。「最初は言葉が全然わからなかったけど、クラスの子がジェスチャーや絵を使っていろいろ教えてくれた」。ひでみさんの得意科目は英語で、それ以外の教科は問題文が読めない。

大阪市には、来日したての小・中学生に一定期間の日本語教育を行う「帰国した子どもの教育センター校」(以下、センター校)があり、アニモ代表の坪内好子氏はここで14年間、日本語の指導をしていた。「アニモの目的は、高校に入ることだけでなく、その後も勉強を続けて卒業できるようにすることです」と坪内さんは言う。

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