授業についていけない「外国ルーツの子」の苦悩 日本語が流ちょうでも勉強は別問題
日本に住む外国人の数が増え続けている。総務省が7月11日に発表した人口動態調査によると、今年1月時点で日本に暮らす外国人の数は249万7000人と過去最高になった。こうした中で見過ごされがちなのが、両親あるいは親のどちらかが外国籍の「外国ルーツ」の子どもの教育問題だ。
文部科学省の調査によると、全国の公立小学校から高校に通う生徒のうち、日本語指導が必要な子どもは4万人以上。中には不自由なく日本語を話す子もいるため、実は「日本語での授業が理解できていない」ことに周りは気がつきにくいという問題がある。
中3で小学校の漢字が読めない
「授業で先生が言ってることはわかる。でも、教科書が読まれへん。テストのときは、漢字を飛ばしてひらがなとカタカナを読んでるねん。国語はほんまに無理や」
流れるような関西弁でそう話すのは、小学校3年のときにペルーから家族で来日した、マリアさん(仮名)。現在、大阪市の公立中学に通う3年生だ。日本に来た当初、言葉はまったくわからなかったが、友達はすぐにできた。昼休みに一輪車で遊びながら、耳にした日本語を覚えたという。
今でも小学校の漢字が危ういマリアさんだが、ほかの同級生と同じように、高校の一般入試を受けなければ進学できない。「行きたいのは、近所の私立。そんな頭ええとこちゃうで。けど、電車代かからへんから」。
マリアさんの家族が暮らすのは、大阪市西淀川区。かつては市内有数の工業地帯で、今も川沿いに多くの工場が立ち並んでいる。淀川をはさんだ隣の区にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンがあり、外国人観光客で連日盛況だ。
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