農林中金の含み損はまだまだ拡大? 増資も毀損懸念
民主党参議院議員・藤末健三
サブプライム問題に端を発した世界的な金融市況の悪化から、農林中央金庫の保有する証券化案件の損失額が急速に拡大しているようだ。
農林中金が昨年11月に発表した2009年3月期半期(中間期)決算概況で損失の内容が公表されているが、会計基準の変更などもあり、実態が見えにくくなっている。
■農林中央金庫 2009年3月期半期決算決算概要説明資料 10ページ
週刊ダイヤモンド誌などでも指摘されていたが、有価証券の評価損の数字はどう考えても、市場実勢と一致していないと思える。
今回は、この点を改めて考察するため、業界関係者による資料や評価ベンダー(Reuter, Markitなど)の公表する証券化案件インデックス価格の9月末と12月末の価格を参考に、控えめに実勢価格を算出、評価損を算出してみた。推定値は、あくまでも筆者の個人的な計算だが、参考までに見てほしい。
農林中金の保有する証券化案件を一般に採用されている方法で評価した場合の試算
資産担保証券(ABS) オートローン、JHF、クレジットカード等は減損がゼロとあるが、シングルAはすでに50%を割ったものも多いはず
住宅ローン担保証券(RMBS)は減損は58億だが、 その10倍の600億ぐらいなければおかしい!
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