自律神経を整える正しい呼吸法は意外と難しい ほとんどの人は正しく「深呼吸」できていない

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呼吸のトレーニングをしていくと、どんどん心身が変わっていくことが感じられると思います。頭でいろいろ考えたところで何も変わりませんから、まずは実践してみてほしいと思います。

今この記事を読みながら、自分で「こうやって呼吸しよう」と考えて呼吸する段階では、まだ呼吸に集中しきれていないでしょう。というのも、自分で「呼吸に集中しなくちゃ」と考えると、どうしても「これでいいのかな?」などと迷いが出てしまうのです。

雑念を払い呼吸に集中するための方法

私たちは、瞑想を行うときには、プロのインストラクション(誘導)のもとに始めることをお勧めしています。なぜなら、自分で自分を導いて深い集中状態をつくることは難しいからです。どうしても「これでいいのかな?」と余計な思考、雑念が生まれてしまいます。

『エグゼクティブ・コンディショニング』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

呼吸もこれと同じ。先に述べたように、「呼吸に集中しなくちゃ」という思考もまた、雑念です。そうした中で、自分の呼吸だけに意識を向けることは難しいのです。

ましてや、日々トレーニングをしていない方が自分だけで呼吸を深めようとしても、ほんの数分で集中力が切れて、結局三日坊主、が見えています。だからこそ、インストラクションに頼ってほしいのです。

たとえるなら、あなたはトロッコで、インストラクションはレール。自分でレールを敷くこともできますが、いきなりは難しい。だからこそ、慣れていないうちは誰か(もしくは何か)にレールを敷いてもらって、導いてもらうのです。そうすることで、あなたは身を任せるだけとなります。

この差は、体験してみるとかなりの違いを感じられることでしょう。もちろん、実在のインストラクターでなくても、音源でもいいですし、動画でもいいのです。その声に導かれるがままに呼吸に集中していくと、より雑念を払うことができ、自分の呼吸に意識を向けることができるでしょう。

松尾 伊津香 プロボディデザイナー/ZERO GYMエグゼクティブプログラムディレクター

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まつお いつか / Itsuka Matsuo

福岡県出身。関西学院大学卒。大学で心理学・精神医学を専攻し、その知識を深めるためアメリカに留学。帰国後、ヨガ・瞑想インストラクター、ダイエットジムReborn myself(旧Shapes)六本木本店 店長・スーパーバイザー等を経て、2017年疲労回復専用ジムZERO GYMを立ち上げる。ダイエット指導経験から、独自の食欲鎮静メソッド「食事瞑想」を確立、ミスワールド日本代表の審査員やボディメイクも手掛ける。著書に『一生太らない魔法の食欲鎮静術』。2019年3月にはNHK WORLD JAPAN「Medical Frontiers」に出演し、世界160の国と地域にヨガと食事瞑想を伝授。

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