自律神経を整える正しい呼吸法は意外と難しい ほとんどの人は正しく「深呼吸」できていない
心身の疲労を回復させるには、良質な睡眠をとることが欠かせない。そこでポイントとなるのが「自律神経」だ。疲労回復専用ジム「ZERO GYM」のプログラムディレクター・松尾伊津香氏は、「寝る前の『仕込み』で、自律神経を整え、心身を休息モードに導いておくことが良質な睡眠のカギです。このためには簡単なストレッチのほか、呼吸法も有効ですが、注意点があります」と言う。松尾氏の監修書『エグゼクティブ・コンディショニング』の内容を一部抜粋し、再構成のうえお届けします。
腹式呼吸は自律神経を刺激する呼吸法
私たちの体にはそれぞれのバイオリズムが備わっています。ベストコンディションをつくるうえでいちばん大事なのは、それを崩さないようにすることです。
バイオリズムを保つうえで重要なのが、自律神経です。通常、日中は心身を興奮させる「交感神経」がオンになり、夜は心身をリラックスさせる「副交感神経」がオンになります。そして、日中は活動、夜は休息というリズムが保たれています。
問題なのは、現代人は夜遅くまで仕事したり、強い光を浴びたりしているので、夜になってもなかなか休息モードに切り替わらず、睡眠の質が低下してしまうことです。
そこで有効なのが、「腹式呼吸」です。腹式呼吸は自律神経を刺激し、副交感神経をオンにしてくれるので、心身をリラックスさせる効果があるのです。まさに睡眠の質を上げるのにぴったりの呼吸法。「腹式呼吸を5回するだけで、直後の睡眠の質が向上した」という報告もあります。
腹式呼吸とは、吸う息でお腹を膨らませ、吐く息でお腹をへこませる呼吸法です。とてもシンプルですね。
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