北朝鮮の処刑・粛清説になぜ誤報が多いのか 南北間の貿易・往来の禁止措置で情報不足に

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2018年9月の南北首脳会談で合意文に署名する金正恩氏と実妹の金与正氏。今年2月のベトナムでの米朝首脳会談後、金与正氏に謹慎説が流れた(写真:時事通信)

北朝鮮に関する報道では、「粛清」「処刑」といった言葉がよく流される。

粛清によって権力を行使してきた旧ソ連の独裁者・スターリンばりの恐怖政治が続いている――。北朝鮮に対し、こんなイメージを持つ日本人も多いだろう。

一方で、幹部が粛清・処刑されたという報道があっても、その後、処刑されたという人物が公の場にひょっこり出てくることも少なくない。スクープとされた報道が、結果的に誤報になったケースも北朝鮮報道ではよくあることだ。最近もそんな一例が生まれた。

ベトナム会談の交渉実務者は処刑されたのか

韓国の最有力紙「朝鮮日報」は今年5月31日付で、「金英哲は労役(強制労働)刑、金革哲は銃殺」との記事を掲載した。

金英哲(キム・ヨンチョル)氏とは朝鮮労働党中央委員会副委員長、金革哲(キム・ヒョクチョル)氏は同党国務委員会対米特別代表で、ともに今年2月末にベトナム・ハノイで行われた米朝首脳会談では北朝鮮側の交渉実務者だった人物だ。朝鮮日報は、「合意なし」で終わった同会談の責任を取らされて労役刑、銃殺に処されたと報じた。

さらに、金正恩(キム・ジョンウン)・朝鮮労働党委員長の実妹で同党第1副部長の金与正(キム・ヨジョン)氏が会談失敗の責任を問われて謹慎しているとの報道も出てきた。

ところが、金英哲氏は6月に軍人家族による芸術公演に金委員長とともに出席した様子が、北朝鮮メディアから流された。金与正氏も、韓国の故・金大中大統領夫人である李姫鎬(イ・ヒホ)氏が6月10日に死去した際、弔意文を携えて南北軍事境界線にある板門店に姿を現した。労役刑で地方にも行かず、謹慎もしていなかったということになる。

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