経済統計で見える「北朝鮮」の知られざる実像 人口は韓国の半分、1人当たりGNIは22分の1
人口は韓国の半分、1人当たり国民総所得(GNI)は22分の1――。韓国統計庁は2017年12月、「2017北朝鮮の主要統計指標」を発表した。
毎年12月、韓国政府は収集・推測したデータを基に、韓国と比較しながら前年の北朝鮮の経済分野などの統計を発表する。核実験とミサイル発射で日米など東アジア情勢をかきまわす北朝鮮。北朝鮮と言えば軍事面ばかり強調されるが、北朝鮮の経済・社会的姿がうかがえる統計だ。
今回発表された統計によると、2016年の人口は北朝鮮が2490万人(前年比12万人増)、韓国が5125万人(同23万人増)と、北朝鮮の人口は韓国のほぼ半分の規模だ。また、北朝鮮の出生率は1.94と、1.33の韓国を上回っている。
2016年の経済成長率は3.9%増
経済規模はどうか。2016年の北朝鮮の国民総所得(GNI、名目)は36兆3730億ウォン(約3.8兆円)、1人当たりGNIは146万ウォン(約15万円)で、前年比でそれぞれ1兆ウォン、7万ウォン増となっている。
韓国はそれぞれ1639兆0665億ウォン(約172兆円)、3198万ウォン(約336万円)で、韓国と比べると北朝鮮の規模は45分の1、22分の1となる。日本の1人当たりGNIは約415万円(2015年)だ。また、経済成長率は北朝鮮は3.9%で、前2015年のマイナス1.1%から、一気にプラスへと回復したようだ。
核・ミサイル開発で北朝鮮に対する経済制裁が強化され、対外的な経済活動に制約を受けている北朝鮮だが、2016年の貿易総額(輸出額と輸入額の合計)は65億ドル(約7360億円)となっている。韓国は9016億ドル(約102兆円)で、北朝鮮の139倍の規模だ。北朝鮮の貿易総額のうち、輸出額は28億ドル(約3171億円)、輸入額は37億ドル(約4190億円)。ちなみに2016年の日本の貿易総額は約136兆円だった。
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